よい気の部屋に住みたい!!

家相や風水でよく使われる「気」という言葉。これを辞書でひも解くと、『目には見えないが、その場所を満たしていると感じられるなにものかを指す。空気やガス、または人知を超えた霊妙なものなど』と出てきます。昨今では「気」といえば、どちらかというと「人知を超えた霊妙なもの」のほうを思い浮かべる方が多いことでしょうね。

もっともこの「気」は、「家相と風水の違い」でもお話したように、本来の風水では、大地が発するエネルギーと捉えられていました。よい気に満ちた場所に、家や墓、都市などをつくると繁栄する、と考えられていたのです。現代でも、「家の中によい気を取り入れる」とか、「この家は悪い気に満ちている」などといった言われ方をしていますが、その「気」には、どこか神秘的、霊的なニュアンスを感じている方が多いのです。

しかし、「気とは空気に他ならない」というのが、私の現代家相学の考え方です。よい気とは、温度や湿度のバランスがよくきれいな空気、悪い気とは、乾きすぎて埃っぽい空気や、湿気の多いかび臭い空気のことなのです。そういう空気の状態が、その場の雰囲気みたいなものとして、清々しさや居心地の良さ、また、気味悪さや胸苦しさを感じさせてしまうのだと思います。

では、タイトルにもある「よい気の部屋」とは、どんな部屋なのでしょうか。実は、現代家相学的に「よい気」と「悪い気」のわかりやすい違いが、これからの冬の時季に顕著に現れるのです。まず、下の図をご覧ください。            
             
この図は、部屋を真上から見た様子を表しています。部屋の大きさとしては10帖程度で、窓が一箇所あります。この部屋にストーブなどの暖房器具を置きたいのですが、さて、みなさんなら、窓際のAの位置、窓の反対側の壁際Bの位置、どちらに置かれますか?

実は、この暖房器具の置き場所で、部屋の中の「気」が大きく変わるのです。たとえば、この部屋が子供室であれば、間違いなく勉強がはかどらなくなるでしょう。また、リビングであれば、落ち着いてくつろぐどころか、逆に疲れが増してしまったり、お年寄りの部屋であれば、気分が悪くなってしまったりするかもしれません。これはまさに「悪い気」の仕業なのです。といっても、「人知を超えた霊妙なもの」ではありません。空気の流れが、このような状態を引き起こしてしまうのです。

では、どちらの置き方が「よい気」を生み、「悪い気」をはびこらせてしまうのか、具体的にA・Bそれぞれの位置に置いたケースを解説してまいりましょう。

まずはBの位置に置いた場合です。暖房をしている部屋では、暖められた空気は上のほうへ上り、徐々に冷えて下へ下りてくるという循環をしています。部屋の窓から一番遠いBの位置に暖房器具を置いた場合、暖められた空気はまず上へ上り、天井を移動して窓際を通り、床へと下りてきます。図を見ていただくとわかりやすいと思いますが、これからの冬の時期は、窓ガラスが外部の冷気を伝えてしまうため、部屋の中では窓際が一番寒い場所になります。したがって、天井から下りてきた空気は、窓際を通る際にその冷気で冷やされ、温度を大きく下げて床へ下りてくることになります。このように、暖房された部屋の中では、天井部分と床部分でかなりの温度差が生じてしまうことがあり、その温度差が10度以上という場合もあるほどです。

次に窓際のAの位置に置いた場合ですが、この場合は、暖房器具で暖められた空気が、まず窓際の冷気を暖めながら天井へと上り、天井から壁際を通って床へと下りる空気の流れができます。窓際を通る際にいくらかの熱を奪われてしまいますが、始めに熱を奪われてしまう代わりに、天井と床との温度差がそれほど発生しないのです。つまり、部屋の中の温度がほぼ均一の環境といえます。

問題は、この天井部分と床部分との温度差なのです。このように、暖房時に部屋の中で温度差が生じる現象を「コールドドラフト」といいますが、この温度差が5度以上になると、人間は不快感を感じるようになります。気分的に不快なだけでなく、体調を崩してしまうこともあるのです。

もう、どちらの置き方が「よい気」の部屋であるか、おわかりですよね。天井部分と床部分の温度差をなくすAの位置に置くことが、「よい気」の部屋をつくるポイントなのです。昔から「頭寒足熱」といって、頭は寒く、足を暖かくするのが人間の心身には望ましいといわれてきましたが、Bの位置に暖房器具を置いた場合は、それとは逆の“頭熱足寒”となってしまいます。また、部屋の床部分が寒く感じられるため、つい暖房を強くし過ぎてしまい、思いのほか光熱費がかさんでしまうこともあるでしょう。

みなさんも気づかれたことがあるかと思いますが、病院などでは窓際に暖房器具を置き、このコールドドラフト現象が起きにくいようにしているのです。「病気」を直して「元気」になるためにも、「気」は大切ですからね。たかが暖房器具ですが、その置き方ひとつで、部屋の「気」はよくも悪くもなるのです。

ただし、いくら窓際がよいからといって、カーテンなどの燃えやすいものの近くには、暖房器具を置かないでくださいね。万一火事にでもなれば、「よい気」どころか、部屋そのものもなくなってしまいます。命に係わることにもなりかねませんから、くれぐれも気をつけてください。

「気」とは、神秘的なものでも霊的なものでもなく、空気環境に他ならないこと。温度や湿度、汚れ具合などの状態によって、「気」はよくも悪くもなること。そして、これからの季節に欠かせない暖房も、「気」の良し悪しを左右する場合があることなど、現代の「気」の捉え方について、小池流の考えをおわかりいただけたと思います。

中でも暖房については、暖房器具の置き方ひとつで、部屋の「気」、つまり空気環境が大きく変わってしまうのです。その例としてお話した「コールドドラフト」は、暖房中の部屋の天井部分と床部分とに温度差が生じる現象で、それがもとで不快な気分になったり、体調を崩したりすることもあるという、まさに現代の「悪い気」の一例といえます。


では、このような現象を防ぐには、また「よい気」の空間をつくるにはどうすればよいか、その対策法について、お話を進めてまいりましょう。

コールドドラフトを起こさないためには、暖房器具を部屋の窓際に置くとよいとお話しました。しかし、窓が一箇所しかない部屋もあれば、窓がたくさんある部屋もあります。窓際に暖房器具を置くとよいといっても、どうしても置くことができない場合もあれば、どこの窓際がよいのか迷ってしまう場合もありますよね。暖房器具にしても、ストーブもあれば、床暖房やオイルヒーター、エアコンなどとさまざまです。
               

そこでご紹介したいのは、どのような部屋の条件でも、また、どのような冷暖房設備を使っていても、「よい気」の空間をつくってくれる“優れもの”の対策アイテムです。しかも、新築時やリフォーム時でなくても、今すぐ自分で取り付けることも可能なのです。冬の暖房時だけでなく、夏の冷房時にも活躍してくれ、気になる費用も2万円から10万円ほどと手頃なその“優れもの”とは、実は「シーリングファン」のことなのです。以前の記事、「マンションを吉にする3種の神器」でもご紹介したこのシーリングファンは、天井で大きな羽根が回転することで、夏は足元にたまる冷気を、冬は天井付近にたまる暖気を拡散して、室内の温度をほぼ均一にしてくれる効果があります。冷暖房時に併用すれば、コールドドラフトによる不快な温度差を防止することができ、過ごしやすい「よい気」の空間をつくってくれるのです。また、冷暖房の効率もよくなることから、ひいては光熱費の節約にも役立ちます。

冷暖房を使わない時季でも、たとえば以前にもお話したように、マンションのように構造上窓が少なく風通しが悪い環境では、天井から風を起こし、空気の流れをつくったり、埃や湿気を排出するのにも役立ってくれます。また、花粉症で窓を開けにくい時季でも、シーリングファンを利用すれば、家の中で風を感じることができます。以前は、風通しが悪く家相学上不利なマンションを「吉」にするための、3種の神器としてご紹介しましたが、シーリングファンはマンションだけでなく、極端な話、すべての部屋に取り付けることが「吉」なのです

最近のシーリングファンは、照明と一体になった薄型のものや、引っ掛けシーリングなどに簡単に取り付けできるもの、空気清浄機が付いたものなどバラエティーが豊富になってきました。おもしろいものでは、照明と羽根を好きなように組み合わせることができるものや、部屋の雰囲気や季節によって、羽根を入れ替えることができるものなどもあります。また最新型では、タイマー設定やリモコンで回転速度などを自由に調整できるものも出てきました。

               

誰でも気分のよい空間で過ごしたいものですよね。それが自分の家であればなおさらです。気分がよければくつろいで過ごせますし、心身の疲れも取れやすくなるでしょう。仕事や勉強だってはかどるはずです。「よい気」とは「よい空気環境」のこと。つまり、「よい気分で過ごせる空間」なのです。その「よい気」をつくるお役立ちアイテムであり、現代家相学上も「大吉」のアイテムであるシーリングファンを、私は「よい気発生装置」と呼んでいます。

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(C)copyright 2005 家相研究家 小池康壽