現代に厄年はない |
| 新年を迎えたこの時期は、厄年を気にされる方が多いようです。私の個人サイトでも、毎年この時期になると厄年の検索が大幅に増えています。 「厄年」というと、「何かよくないことが起きる年」というイメージが定着していますが、そもそもは人生の節目に当たる年齢のことで、小厄、大厄を合わせれば一生に何度も訪れるものです。中でも、大厄の男性42歳、女性33歳という年齢は、前厄・後厄を含め厄難に遭いやすく、諸事に慎み深くふるまわなければならない年とされています。家づくりに関しても、昔からこの年に行うことはタブーとされてきました。 ![]() しかし、私は「現代に厄年はない」と考えています。私がなぜそう言い切るのか、その理由はじっくりお話しするとして、その前に、なぜ厄年がここまで恐れられてきたのでしょうか。それには、男性42歳、女性33歳という年齢の諸事情が背景となっているのです。 ひと昔前は、男性は概ね24歳から28歳前後で結婚することが多く、42歳といえば、結婚生活も15年を数える頃となります。倦怠期などと言われるのもこの頃、子供も中学や高校へ進み、反抗期を迎えることでしょう。家庭でのストレスを感じやすい年齢であるとともに、職場でも責任のあるポストに就き、上からの圧力や下からの突き上げなど、心身に負担を感じることも多くなる時期なのです。 女性も以前は18歳から26歳前後での結婚が多く、やはり33歳という年齢は、家事の負担や子育ての悩みなどで、男性と同じく家庭内のストレスを感じやすいときといえます。それゆえ、体にも変調が出やすく、注意しなければいけない年とされたのでしょう。 また、男性も女性も、この厄年の年齢の頃は脂の乗りきった時期。多少の無理は利いてしまうパワーのあるときでもあります。ですから、つい無理をし過ぎてしまい、健康を損ねたりすることもある時期なのです。それが42歳であれば「死人(42)」を連想させ、33歳であれば「散々(33)な目に遭う」などといわれ、厄年は怖いものと感じさせてきたのでしょう。 それこそ、何百年も前の時代には、結婚した年齢の統計などは取られていないでしょうが、少なくとも1980年前後までは、当時の婚姻の状況から、このような背景を見てとることができます。ですから厄年も、ある意味統計的な根拠があるものと言えたかもしれませんね。 ![]() 未婚率 総務省 統計局より引用 国立社会保障・人口問題研究所 未婚率 総務省 統計局 しかし、1985年を境に、これらの統計的な年齢は大きくずれてきています。未婚率や離婚率の増加、出生率の低下など、昨今の社会事情はみなさんもご存知のとおりですね。平均寿命も、昭和35年から10年近く延びています。これらの変化で、昔から伝わる厄年が現代ではまったく通用しないというのが、私が「現代に厄年はない」という理由なのです。 近頃はよくテレビや雑誌などに、開運をナビゲートする方が登場されますので、私も鑑定や講演の折りには、厄年や年回りについてよく質問されます。そんなとき私は、「みなさんの同級生はみな同じ人生を歩んでおられますか?」と逆に質問します。同じ年齢の人間が、みな同じ運勢を持ち、同じような人生を歩んでいるわけではありません。もし、本当に厄年なるものがあるならば、それは一人一人違う時期であるといえるでしょう。結婚する時期も、仕事で多忙な時期も、子育てに追われる時期もそれぞれ違います。ストレスを抱える時期、仕事や生活で無理をしている時期、体に変調をきたしやすい時期も、ひとくくりにはできません。 1985年以降、社会事情や時代背景は大きく変わり、それこそ上記のデーターのように、30代を気楽に過ごし、40歳で結婚し初めて子供を持つ男性もたくさんいます。そんな方にとっては、42歳はかわいい盛りの子供と接するのが何より楽しい時期。家に帰り、子供の顔を見ることで、ストレスも解消してしまうことでしょう。女性についても、38歳での初産が多いことが話題になりましたが、33歳といえば社会で活躍している時期、充実感を味わっている方もたくさんいることでしょう。 平均寿命が60歳代から70歳、80歳代まで伸びている昨今、昔のままの厄年を語ることには、もう無理がきているのが現状でしょう。今の時代に本厄の厄年があるとすれば、男性は40歳から50歳、女性は30歳から40歳と、幅を持たせて考えなければならないと思うのです。 「現代に厄年はない」と私は言いましたが、それは厄年と決めつける年齢がなくなり、本来の厄年となる年齢が、時代の変化で幅広くなったと考えなければいけないという意味でもあるわけです。 さらに私は、今の時代は、常に厄年のなかで生活していると考えていなければならない時代であるとも思っています。年金が改正され、1〜2年後には一気に熟年離婚が増えるなどといわれていますが、定年を迎える60歳前後には、そんな厄を背負う人たちも増えてくるのです。大人ばかりではありません。昨今は子供にとっても厄だらけの時代といえます。 ![]() 古くからの習わしである七五三参りも、食料事情や医療事情で子供が育ちにくかった昔に、子供の無事な成長を祈願する厄除けとして始まったといわれています。子供が巻き込まれる事件や事故は後を絶ちません。人生はいつでも厄年、今はまさにそんな時代なのです。 * 男の大厄 25歳 41歳 42歳 43歳 61歳 女の大厄 19歳 32歳 33歳 34歳 37歳 61歳 男と女ともの小厄 1歳 3歳 5歳 7歳 10歳 13歳 24歳 28歳 46歳 49歳 52歳 55歳 60歳 64歳 70歳 73歳 77歳 82歳 85歳 88歳 91歳 伴侶の男性が大厄の年は女性は小厄になります。 伴侶の女性が大厄の年は男性は小厄になります。 私は、迷信を否定する立場の家相研究家として、家相を語る以上、本格的に易学を学ぶ必要があると考え易学を学んでいます。ですから、本来の厄年は、上記のように生まれてからほとんどが厄年でもありますし、伴侶の年齢によっても左右されるのです。私が決めきった厄年はない。常に厄年だというのは、昔からもそうなのです。 ですから私は、厄年にも正式な厄払いをしませんでした。そして、迷信を否定する家相研究家の立場からも、ちょうど厄年に住まいを建築しました。中途半端な知識で開運をナビゲートする方々は、初詣や厄払いをすることで開運するなどとよく言われますが、世の中そんなに都合のよいものではありません。 困ったときの神頼みや、新年だけの参拝で、神様が希望をかなえてくれるようなものではないと私は思います。私はそれこそ、迷信を否定する立場を通してきていますし、宗教にも関心はありませんが、自宅にある神棚やご先祖には、毎日手を合わせて一日のスタートをきることを長年続けています。そのうえで氏神様や伊勢神宮の特別参拝をさせていただいております。節目、節目だけに参拝や祈願をするのではなく、日々感謝して生活することのほうが、はるかに大切であると考えているからです。 ![]() 厄年にしても、厄年だから健康に留意し何事も慎重にするとか、厄年だから神仏に参拝するのではなく、常日頃から無理をせず、健康に気をつけて暮らし、神様やご先祖に日々感謝する気持ちを忘れないでほしいと思うのです。 厄払いはそのうえでするものであるべきですし、家づくりも慌てず慎重に臨めば、何歳で行おうとも問題はないというのが私の持論です。そんな私から、もうひとこと付け加えれば、厄年は、社会の主役の年でもあるのです。ですからさまざまな神社のお祭りでも、厄年の人間こそが、神男として桧舞台に上がれるチャンスを神様からいただけるのです。男としても女としても最も輝いている年齢でもあるからです。厄年をくれぐれも勘違いしないようにしてください。 厄年の意味、本厄、小厄 門戸厄神 はだか祭り 尾張大國霊神社(国府宮) 私は日々ストレスをため込まないように、どんなに忙しくても、月に6日は休みを取るようにしています。趣味も楽しみ、最近は孫たちと触れ合う時間も大いに大切にしていますし、妻にも趣味の時間をきちんととってもらっています。そして年に1度は、夫婦で精密な人間ドックを受けることを長年続けています。「現代には決まった厄年はない、いつでも常に厄年である」と私は思っていますから。 ------------------------------------------------- |