家の中央の台所は凶 |
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私のところには、全国から様々な方が、家づくりの相談に訪れます。もうずいぶん前のことですが、こんなことがありました。新築の間取り相談が終わった後、奥さんが、現在のマンションに入居して8年、奥さんが台所に立つ度に気分が悪くなり、吐き気やめまいがするというのです。病院で精密検査を受けても原因がわから ず、マンションの家相が悪いのではないかと親戚に言われ、怖くなってお祓いをしてもらったそうです。西に黄色い花を飾り、魔除けに水晶の玉を置いて、家相で「良い」とされることはすべて試してみたそうです。今回、家を建てることになったので、ひと安心ということでした。私は現在お住いの間取りを聞いて、単純な酸素不足だと判断しました。奥さんが考えていたような悪霊や怨霊の仕業ではなく、マンションの場合CGのように、家の中心部や窓の無い場所に台所があることが多いのです。「酸素不足って言うけど、換気扇を回せば大丈夫じゃないの?」と思われるでしょう。ここに大きな間違いがあるのです。 家の中心部に台所があれば、当然換気扇の排気ダクトの距離も長くなり、換気扇の効率は悪くなってしまいます。しかしもっと困ったことは、台所に新しい空気が入りにくいということなのです。実は換気扇は、新しい空気が外部から入ってきてはじめて、効率よく換気を行うことができるのです。現代のように、高性能なサッシや気密性能の高いドアだらけの住宅は、負圧がかかり新しい空気が入りにくい構造といえるのです。 そして台所は火を使って調理をします。火を使うことで、空気中の酸素が消費され二酸化炭素が発生します。酸素は空気中に21%存在していますが、消費され続け19%をきってくると、今度は不完全燃焼を起こしやすくなるのです。そうなると猛毒の一酸化炭素が発生し、頭痛やめまい・吐き気が起こるのです。先ほどのマンションも、この一酸化炭素が奥さんの体調を脅かしていたのでしょう。 これはマンションに限ったことではなく、一戸建ての場合も同じです。台所で火を使う場合は、極力遠くの窓を5センチ程度開けておくこと。これから家を新築するのであれば、ガスを使わずクッキングヒーターを利用することも良いことです。また換気扇を空気導入型にするか、換気扇連動型吸気扇を取り付けると効果的です。 とにもかくにも「悪霊」の正体は一酸化炭素だと思います。家相は何千年も伝わるものですが、時代の流れに沿って変化させていくべき部分が多々あると思います。なぜなら昔はサッシも断熱ドアもなく、高気密の建物などなかったからです。昔の建物では、一時間に2回から3回、空気が自然に入れ替わりました。現代の高気密高性能住宅では、換気機能を働かせない場合、1時間でせいぜい0.1回から0.2回程度になってしまいます。 昔の家は薪で火を焚き、井戸で水を汲み仕事をしてきました。家の中央に台所があれば、火の粉が家の中を舞い、燃えた灰が家中を汚してしまう。外にある井戸から水を運べば家の中は水浸しになります。これらの理由からも中央の台所は嫌われました。しかし現代は、ガスが生まれ水道が発達した事で気が緩み、家の中央にも台所を造ることが多くなりました。現代の高気密化の住宅が、新たな悪霊や怨霊を生んでいるのです。もう一度住まいを見直す時代が来ているのかもしれません。 <一酸化炭素中毒> 一定量以上の一酸化炭素を吸入したときに起こる中毒症状。このガスを吸うと、酸素が血液に吸収されなくなり、窒息状態になる。頭痛、目まい、吐き気などがおこり、意識が侵され、死に至ることもある。 |
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2005 家相研究家 小池康壽
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