東南は大吉の場所だ

家を設計する時、表鬼門の北東・裏鬼門の南西は大凶の方角として嫌われがちですが、その逆に、大吉の方角と昔からいわれているのが東南です。「東南に張り出しのある家は長男が出世する」とか、「東南に玄関があると家が栄える」というお馴染みの言葉どおり、家相学上、東南は正真正銘よい場所です。では、なぜ東南はよい場所なのでしょうか?


それは紫外線が効率よく照射される場所であるからです。下のグラフからもわかるように、紫外線は10時から14時までの時間帯に一番多く照射され、住宅の東南部分がその時間帯の光を多く受けることができるからです。こう言うと、医学に携わる方、また日焼けが大敵な女性の方たちは、「家相の先生がまたばかなことを言ってるよ」と思われるでしょう。

岡山県環境保険センター測定  画像提供トヨタ自動車

現代はオゾン層の破壊でより多くの紫外線が照射され、皮膚がんの原因となる恐れや環境破壊が問題になっています。住宅メーカーや自動車メーカーも、紫外線を防ぐUVカットのガラスを奨励するなど、紫外線は今、どちらかといえば敬遠されがちです。それでもなお、東南は紫外線が照射されるから良い場所だと、私は言いたいのです。なぜなら紫外線には「罪」もあれば「功」もあることを知ってほしいからです。

紫外線には「殺菌」というすばらしい力があるのです。そのすばらしい力は医学の分野でも利用され、様々な菌が紫外線によって殺菌されています。近年また問題となっている結核菌の死滅にも、紫外線は効果があるのです。1950年までわが国の死亡原因のトップであった結核も、抗生物質の開発で消滅したかに思えました。

しかし抗生物質に耐性を持つ結核菌(多剤耐性結核菌)が患者の体内で生まれ、現在結核患者が急増している一因になっているのです。そして1998年、ついに厚生省が結核異常事態宣言を発表するまでになったことはご存知の方も多いはずです。ここ数年4万人前後の発症、3千人の死亡者がいるのが現実です。抗生物質が効きにくい結核菌がこの世に存在する以上、それと戦えるのは紫外線(太陽の力)だと、私はいつもお話しています。



誤解があるといけませんが、私は紫外線にあたりましょうと言っているのではありません。私が言いたいのは、紫外線という殺菌効果の高い光を家の中に取り込み、きれいな空気環境を作ることも重要なのだということです。ただ紫外線を嫌いシャットアウトするのではなく、紫外線のよい効果を知り、ベランダや物干し場を東南の殺菌効果の高い場所に作ること、またリビングのソファーなどを上手に置いて、直接日光にあたらないながらも紫外線を取り入れることなども健康的に暮らす方法だと思うのです。

カーテンや家具が日焼けで傷んだら、もう一度買えばいいというのが私の家相論です。現代こそ、私は「自然と真っ向から向き合う家」、「自然を上手に取り入れる家」が必要な時代だと思うのです。自然の功罪をきちんと見極め、健康的に暮らせる家づくりを願い、日本の結核罹患率が最悪の事態を脱するまで、私は紫外線の味方でいるつもりです。



【結核】
結核菌の感染によって起こる慢性の伝染病。主に患者の咳、痰(たん)の飛沫に含まれる結核菌によって感染。感染後は肺に病巣をつくり、さらに他の臓器に結核菌が運ばれて、各部の結核症を起こす。
【結核菌】
結核の病原菌。紫外線に比較的弱く、痰(たん)の中の菌が直射日光にあたると六〜八時間で死滅。一八八二年、コッホが発見。
国語大辞典(新装版)小学館 1988


このサイトをご利用いただく際の、著作権に関するお願いがございます。
(C)copyright 2005 家相研究家 小池康壽