トップライトは灼熱地獄??

家相研究家として毎日多くの間取り図面を拝見していると、こんな住まいは絶対つくってほしくないという図面、また家相を勘違いした図面をよく目にします。まさに大凶の図面ですね。そんな図面のよくないところ、家相を勘違いしている部分を、家相研究家・小池康壽がわかりやすく解説する「こんな住まいは絶対つくるな!」シリーズ。第3弾は「トップライトは灼熱地獄??」です。

前回の記事「大吉と考えた台所が大凶なり」では、縁起がいいと思った台所が実は大凶だったという実例をご紹介しましたが、今回ご紹介するのも台所。明るくて気持ちがよいと思っていた台所が、実はやはり大凶だったのです。

ここ最近、家相相談に訪れる方々の中に「トップライト」を設ける方が増えています。基本的に私は、トップライトは吉凶入り乱れるものとお話をしています。古くからの家相の言葉に、「天窓を未申にもうけるは、忌むなり」という言葉があります。天窓や大きな窓を南西の方向につけるのはよくないいう意味ですが、その言葉のように、トップライトはつける場所、つける状況によっては大凶になってしまうおそれがあるのです。



誤解があるといけませんので始めに断っておきますが、トップライトそのものは凶の部材ではなく、大変有効な建築部材です。敷地が狭く、建築基準法上の「採光」が確保できない(光が取れないと居室として認められない)場合なども、トップライトをつければ光量を確保でき、法規上も大変ありがたい部材でもあります。また、日が当たらない場所で利用すれば、部屋温度にさほど影響は与えず、一定の光だけが差し込む優れものです。しかし、トップライトはその扱いを間違うと、先人の言葉にあるように大凶ともなり得るのです。

前回は、東南の張り出した部分に台所をつくり、西日の暑い光を多く取り入れてしまう間取りをご紹介しましたが、今回は出窓ではなく、南側の屋根に天窓をつけたケースです。外観図で表すと上のようなイメージですね。

今まで住んでいたマンションは台所が暗かったので、新築する住まいの台所はできる限り明るくしたいという施主の希望で、大手ハウスメーカーが設計した図面です。



確かに、明るい台所にすることは悪いことではありません。包丁などを使う作業場としても、食材の鮮度を判断するためにも、明るい台所環境は大切です。



しかし、前回もお話したように、直接光が大量に差し込むことは、台所という場所にとっては決して「相性」がよいことではありません。テレビのリフォーム番組などでは、家の中が暗いというと「匠」や「光の魔術師」と呼ばれる建築家が登場し、天窓を取り付けて解決するケースが多いですが、このようなことも、単純にトップライトを「良し」と思ってしまう理由なのかもしれません。

トップライトは北側の屋根や、日中の使用頻度の少ない空間、暗い廊下や階段などを明るくするのに良い効果をもたらしますが、今回のような建物形状で、しかも暑さを敬遠する台所に使用したら、夏場は大変暑い大凶の空間になってしまうのです。それこそ灼熱地獄の台所でしょう。

ご本人は光をうまく取り入れることができたと、魔術師気分で喜んでいたのですが、「かなり暑い台所になるけどいいですか」「食中毒のおそれや、夏場は加熱調理を避けるようになるため、家族の健康面でも影響が出るかもしれませんよ」「私も利用していますが、IHヒーターでも室内空間は暑くなりますよ」と私が指摘すると、やはり健康的に暮らせることが第一とのことで、図面変更をアドバイスさせていただきました。

ここで、トップライトをつける場合の注意点をお話しいたします。トップライトをつける場合、冬場は良いのですが、夏場は太陽がほぼ真上に昇っていきますから、トップライトから太陽光が室内にまともに差し込んでしまいます。

トップライトはできる限り、屋根の北側や、2階の陰になる1階の屋根部分に取り付けることが望ましいですね。しかし、夏場は北側でも直射日光が差し込んでくる場合も多いのです。ですから甘く考えず、暑さと相性が悪い台所や、暑さが体に負担をかけるおそれのあるお年寄りや幼少の子供の部屋につける場合は、よく検討することが大切です。天窓しか採光(建築基準法上必要な光の量)を確保できないような敷地条件の場合以外は、太陽光が直接差し込むような状況での使用は、原則は避けたほうが無難であると私は考えています。



画像協力 トステム株式会社

また、使用するガラスは光だけを有効的に取り入れ、熱量は調整できる高断熱ガラスや遮熱ガラスにするとよいでしょう。トップライトの窓枠に遮光材やシェードを取り付けることも大切なことです。また、できれば換気ができる開閉式のトップライトを取り付けるとよいですね。天井部分にたまった熱気を排出する効果も期待できますからね。

太陽の力や動きをよく考慮し、上記のようなポイントを押さえれば、トップライトはまさに「光の魔術師」となってくれることでしょう。

このサイトをご利用いただく際の、著作権に関するお願いがございます。
(C)copyright 2005 家相研究家 小池康壽