隣の台所は恐れるべし

皆さんは隣の家の台所がどこにあるかご存知ですか?隣の家の台所の位置、実はこれ、家づくりにはとても重要なのです。

家相学は家の周辺環境や間取りから吉凶を占うものですが、隣の家の台所は、あなたの家の運勢や住み心地を大きく左右する場所なのです。自分の家の間取りだけでも精一杯なのに、隣の家の間取りまで調べろとは、また酷なことを言うとお思いでしょうね。しかし必ず調べておくべきなのです。それで自分の家の設計プランが大きく変化しようとも、調べた方がよいのです。これは私の住宅営業マン時代の数多くの失敗経験と、家相の研究家としての多くの鑑定経験から言えることなのです。


台所は主婦が長く居る場所ですよね。一日の内、主婦が台所に滞留する時間は4時間から6時間であるというキッチンメーカーのデーターもあるくらいです。つまり隣の家の台所に隣接する部屋は、隣の主婦に見られやすい場所になってしまうのです。お隣さんだって決して見たくはないでしょうが、台所という場所は火を使うことからカーテンをかけることも少なく、換気のため冬でも多少は窓を開けます。すりガラスを入れていても目が会う機会は多いのです。また音や会話にも少なからず注意が必要でしょう。

台所は意外に大きな音が出る場所ですし、こちらの会話が隣家に聞こえてしまうこともあります。自分の家のことが、知らないうちに近所の噂話になっていたなんてこともあり得るのです。また厄介なことに、台所には換気扇があります。もしリビングの出窓などと隣の家の台所が隣接していたら、換気扇から流れてくる匂いや熱気で団欒(だんらん)どころではなくなってしまうでしょう。

ましてや24時間空調換気扇の空気導入口が、偶然隣家の台所換気扇の近くだったとしたら、家の中が毎日隣の献立の匂いで充満してしまいます。現実に私のもとへ来る相談にもこのような冗談のようなケースはあるのです。逆に言えば自分の家の台所換気扇も、隣の家に迷惑をかけないような場所に取り付ける配慮が大切ですね。ご近所付き合いを悪くしない礼儀でもあると考えておきましょう。

最後に忘れてはならないのが「火災」です。今までお話したことは、我慢したりそれなりの工夫をすれば過ごせるものです。しかし火災は財産や家族の生命という、人間の人生において一番大切なものを奪ってしまうのです。その恐ろしい火災の原因として多いのが台所のコンロからの出火です。どんなに自分たちが火災に注意していても、隣家の火災までは止められません。もしそれが台所からの出火で、隣の台所の窓とわが家の居室の窓が隣接していたら、どんな耐火構造の建物でも窓から一瞬にして炎が侵入してきます。

家づくりの際には、隣の家の台所と接する場所にはリビングや子供室はつくらないこと。落ち着けない部屋になるからです。また火災の際の延焼を考慮して、できれば家族の寝室や、財産や大切なものを保管する部屋にすることも避けましょう。日本の家屋は木造が主体のため、火事の延焼時に火元の賠償責任は問われないことが多く、自らの保険を使用しなければならない場合が多いということを肝に銘じておくべきです。

隣の家の台所で人生が変わることだけは、誰でも避けたいはずですから。


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