家の中の水槽は凶?!

家相学上、家の中に水槽があることはよいことか、それとも悪いことか?」。


「新築の住宅やマンションへの引越しに際し、趣味で飼っている金魚や熱帯魚の水槽は家相上どこへ置いたらよいか?」という相談は、よくあります。そこで今回は、家の中に水槽を置くことの“吉凶”と、“凶”を改善する対策法についてお話したいと思います。

まずは“吉凶”の“凶”からです。実は“凶”とは、家の中の湿度が大幅に上がることです。特に、マンションや昨今の高気密の住宅では、家の中に水槽を置くことで、生活空間がより高湿度になってしまいます。なぜ家の中が高湿度になるとよくないのか、それは2つの悪影響をもたらすからです。ひとつは建物への悪影響、そしてもうひとつは人間の健康への悪影響です。

皆さんもご存知だと思いますが、家の中で一番建物が傷みやすい場所は浴室です。それは一番湿度が高い場所であるからです。土台や柱を食害するシロアリや、木材を腐らす腐朽菌なども、湿度が高い場所を好んで発生するのです。浴室までの水量、水温にはならないものの、水槽は“ミニチュア版浴室”ともいえるでしょう。特に熱帯魚の水槽の場合、一般的には23℃〜25℃が適切な水温といわれていますから、真冬でも温かく水分も蒸発しやすい環境といえます。家は私たちの生活資産の中でも一番高額な資産です。その家が傷みやすいとくれば、これは十分“凶”といえます。



さらに問題なのが健康への悪影響です。アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー性疾患に悩む人は多いですが、食物や体質的な原因の他に、ダニが一因となっていることはよく知られています。ダニは埃やカビを餌にして徘徊し、私たち人間にさまざまな害を与えています。水槽を置くことで、家の中がどうしても湿度の高い空間になってしまい、ダニの繁殖を促進するカビが発生してしまうのです。特にマンションや高気密の住宅は風通しが悪くなりがちで、このような現象が出やすいのです。水槽を置く場所も、リビングなど家族で楽しめる部屋が多いでしょうから、健康面への影響にも配慮が必要です。このように、家の中に水槽を置くことには、現代家相学上注意を要することも多いのです。



*画像提供 東芝
しかし、「家相とはあくまでも対策ができるもの」というのが私の持論です。水槽を置くことで湿度が高くなり、それが建物や人間の健康に悪影響をもたらすのであれば、湿度をきちんと管理し、湿度を下げる工夫をすればよいのです。人間が健康的に暮らせる湿度の目安は、50%から60%といわれています。まず、湿度計を使い、家の中の湿度がこの範囲内になるようにしっかり管理することです。

そのためには、天気のよい日はできる限り窓を開け、自然の風を家の中に取り入れてあげましょう。風が通れば埃や湿度も排出され、カビやダニも発生しにくくなります。窓が少なく風通しが悪い場合は、天井にシーリングファンを取り付けたり、空気導入型換気扇を利用したりして、空気の流れを人工的につくることです。また以前のガイド記事、「花粉症で窓を閉め切るは大凶」でもお話した、「熱交換型空気導入換気扇」もお薦めのアイテムです。

いつもならここで除湿機も…といいたいところですが、除湿機を使う場合は、水槽から離して使いましょう。湿度は安定しますが、水槽の水もどんどんなくなってしまいますからね。



これは実際のケースなのですが、以前、リビングに大型水槽を設計した家をアドバイスしたことがあります。ご主人の趣味とのことでしたが、料理店の“いけす”を思わせるような立派な水槽でした。間取りプランを依頼されたのですが、私はCGのような「水槽ルーム」の間取りを提案したのです。



このような水槽専用の部屋をつくることで、湿度の悪影響から人間が生活する空間を守ることができ、またちょっとした水族館の気分を味わうこともできます。依頼者にも好評で、水槽の掃除やメンテナンスの面でも好都合だし、何よりも家族に気兼ねなく長年の趣味が満喫できると喜んでおられました。新築の場合には、こんな設計も参考にしてみてください。



また、「水槽の置き場所」としては、やはり、できる限り湿度の影響が少なく済む場所を選びましょう。子供室や寝室などは避け、リビングなら風通しのよい場所に置くことです。玄関に水槽を置いている方も多いようですが、窓のない玄関は湿気がこもりやすく腐朽菌やシロアリの被害も意外に多いのです。湿度計などで測定してみるとよいでしょう。もし部屋数に余裕があれば、水槽専用の部屋をつくられると一番よいでしょうね。



最後になりましたが、“吉凶”の“吉”とは、人間の精神面での吉です。金魚や熱帯魚を飼育することで、心が癒されるといわれる方は少なくありません。長びく景気低迷、企業のリストラ、汚職や政治不信など、現代を生きる私たちは多くのストレスを抱えています。そんな中、水の中を悠々と泳ぐ金魚や熱帯魚、水にたゆたう水草などを眺めることで、安らぎを感じることができる方も多いのでしょう。近所迷惑な鳴き声も、糞などのイヤな臭いもしない金魚や熱帯魚は、現代の住宅事情に合ったペットといえるかも知れません。現代こそこのような精神的なよりどころが大切なのかもしれませんね。


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