幸せに暮らせる住まいとは!?

私のサイトで、「あなたが住まいづくりに家相を取り入れたいと思う理由は何ですか?」とお尋ねしたところ、「家族が幸せに暮らせる住まいをつくりたいから」という答えに76%もの方が投票されていました。また、私のところへ家づくりの相談にみえる方も、みなさん「幸せに暮らせる家をつくりたい」と言われます。

家族の生活の場である住まいは、イコール幸せな場であってほしいもの。そのためにも、家相や風水をうまく取り入れていただきたいと思うのですが、では、幸せに暮らせる住まいとは実際にどんなものかというと、多くの方が「鬼門に玄関やトイレがない家」、「東南に大きな張りがある家」、「お風呂やキッチンが正中線にかからない家」だと錯覚されています。確かにこれらは、ごく一般的な家相の本などでは吉相の家とされていますよね。

しかし、たとえ鬼門から玄関やトイレを外したとしても、その代わりに何かが鬼門にきてしまいます。正中線とて同じこと。何かは線上にかかってしまい、気にしだせばきりがありません。それらをすべてクリアしようと思えば、あれをこっち、これをあっちへと動かしたあげく、とんでもなく使い勝手の悪い間取りになってしまいますし、設計すらできなくなってしまうこともあります。これでは、家相をうまく取り入れるどころか、家相が住まいづくりの妨げにさえなってしまいますね。家相を取り入れたいと思うがために、設計に行き詰まり、八方塞がり状態で私のところへみえる方も少なくないのです。

そもそも、「幸せに暮らす」とはどんなことなのでしょう。私は、家族がみな健康で、安全に快適に、楽しく暮らすことだと思います。そして家相も、まさにそのためにある家づくりの術なのです。人間が健康的に暮らすための光や風を取り入れ、時に脅威となる雨風をかわし、暑さ・寒さを和らげる工夫をするというように、自然とうまく付き合う住まいをつくることが、家相の原点なのです。そして、それは人間のためだけでなく、住まいそのものを長持ちさせる術でもあります。

しかしながら、昨今は家相というと、お金が貯まるとか出世するとかいった“幸せ”や、病気になるだの事故に遭うだのという“不幸せ”が、いささかオーバートークされているように思います。その“幸せ・不幸せ”を左右するものが鬼門であったり、張り欠けや正中線だと信じている方が多いのですが、これこそが大いなる誤解なのです。

そもそも鬼門の北東という場所は、光が当たらないため日中でも暗く、冬は冷たい北風が吹きつける場所です。また、裏鬼門の南西は、西日で夏は厳しい暑さとなり、西から風が吹く地域が多い日本では、風上になりやすい場所です。それゆえ、他の方角より自然の影響を受けやすいこの場所に、お風呂やトイレなどをつくる際は注意せよと、先人たちが伝えてきてくれたのです。

家相をうまく取り入れることとは、まず第一に、自然とうまく付き合うことだとお考えください。窓の大きさや位置を考慮し、光と風をうまく取り入れれば、明るく風通しのよい住まいになります。屋根や外壁のつくりを丈夫にし、雨戸などを備えておけば、台風や大雨の際にも安心です。また、設備機器や内装材に工夫すれば、寒さや暑さも和らげることができます。そうして、家族のみなさんが健康で安全に、快適に暮らせる住まいをつくってください。トイレや玄関の位置をあちこち変えたり、建物を弱くするだけの張り欠けをむやみにつくったりするより、確実に「幸せに暮らせる住まい」を実現できることでしょう。

ですが、さまざまな問題を抱える現代社会では、住まいにもまた、さまざまな配慮が必要になってきています。幸せに暮らせる住まいをつくるために、さらに取り入れておきたい現代ならではの家相について、次回お話したいと思います。



小池康壽の家相訓
家相勘違いすることなかれ、自然とうまく付き合うこと、向き合うことが幸せの近道なり。自然うまく付き合えば、冬暖かく夏涼しげな住まいになりけり。また、自然侮れば、強き風、強き雨に翻弄し、建物傷み建物という最も大きな財失うことになりけり。家相先人の知恵、うまく取り入れ幸せになるものと心得よ。

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