セコムしてますか

「セコムしてますか?」。巨人軍の元監督、長嶋茂雄さんのCMでお馴染みの言葉です。今回は、住宅用の警報装置など、現代の家づくりにおける防犯面について、小池流現代家相学の見地からお話をしたいと思います。

家相の相談にお越しいただく方の中には、お金持ちになること、会社での出世や、子供の成績が良くなることなどを家相に求められる方もみえます。しかし、家相とは本来、人間が健康で安全に、かつ快適に暮らすことを願うことが根底にあるものであると私は考えています。

小池康壽の家相学に真に求められるべきものは、私たちが健康に暮らせること、安全に快適に過ごせることなのです。中でも「安全」という観点については、昨今のような物騒な世の中のこと、泥棒や強盗などの災いに遭わないような家づくりが、より大切であるとも考えています。

現実に、わが家の周辺でも空き巣の被害が異常に増えています。また先日も、私の友人が留守宅に泥棒に入られ、帰宅した際に泥棒と鉢合わせになるというショッキングな体験をしました。ケガがなくて済んだこと、盗まれたものが小額だったことが不幸中の幸いでしたが、精神的な疲労はかなり大きかったようです。

泥棒に入られると、金品を盗まれることだけでなく、見知らぬ人間が自分の家に侵入したことへの恐怖感、また同じ目に遭うのではないかという不安感から、トラウマに陥り、夜も眠れなくなってしまうという話を聞いたことがあります。


しかし、ここ最近は、留守宅を狙う空き巣ばかりではなく、在宅中に押し込む強盗の手口もずいぶん多くなってきました。ですからこれからは、留守中、在宅中を問わず、家づくりにはトータルな防犯を考えなくてはならない時代だと思います。そこで私は、家相の相談をお受けする際、周辺の状況や建物の形状をみて、警備会社のホームセキュリティーシステムへの加入や防犯設備の導入をお薦めしています。私の自宅も警備会社に加入していますが、ホームセキュリティーの会社を選ばれる際には、サービスの内容や費用、警備センターからの距離などで慎重に検討されるとよいでしょう。

しかし、ホームセキュリティーがあるからといって、それで“万全”というわけではありません。先日も、「セコムしている」長嶋さん宅にファンを名乗る男性が侵入し、物議をかもしましたが、もともとホームセキュリティーのシステムは、留守宅や夜間の企業・店舗の安全を確保することが主眼でつくられてきました。ですから、在宅中でも侵入しようとするここ最近の凶悪犯罪に対しては、意外に盲点もあるのです。その理由は、日本には四季があるからです。いつも玄関や窓を締め切った状態で暮らしていれば、留守中も在宅中も、システムを作動させていれば安全なのですが、春や秋といった過ごしやすい季節には、私たち日本人は窓を開けて暮らしています。警備会社のシールが貼られているにもかかわらず、空き巣や強盗の被害にあってしまった家をニュースで見かけたりするのには、このような理由が大きいのです。

ですから、日本のように四季のある国では、窓を開けていても安心して暮らせるような防犯対策を取らねばなりません。そのためには、建物内の防犯対策だけでなく、家の外回りの防犯対策がこれからは重要となります。その対策のひとつが外構であり、防犯カメラや防犯センサー、センサーライトといった外回りの防犯装置の設置なのです。




以前の記事でもお話したように、まったくのオープンな外構や、高い門塀に囲まれた透視性の悪い外構は、防犯上好ましくありません。オープンな外構では簡単に敷地内に侵入されてしまいますし、高い門塀で閉ざされた外構は、一旦侵入してしまえば周りから見られないという欠点があります。防犯上は、簡単に侵入しにくく、かつ見通しのよい外構が望ましいのです。外構というと、最近はガーデニング的な要素のほうが強いのですが、外構には防犯という大きな役目もあるのです。


そして、万一敷地内に侵入された場合のことも考え、勝手口近くや家の裏手、大きな開口部などに、センサーライトや防犯ブザーなどを取り付けておくようにしましょう。よほどでない限り、ライトの光やブザーの音に警告されながらも侵入を続けることは少ないはずです。また、人が歩くと音でわかるように、家の周りに玉砂利を敷きつめておくのもよい方法です。

さらに防犯性を高めるためには、防犯カメラを取り付けるとよいでしょう。泥棒の多くは、狙いを付けた家には下見に出かけているといわれています。その家が留守になる時間帯や、普段からよく開いている窓などを、事前に調べている場合が多いのだそうです。下見に来たときに防犯カメラがあれば、その段階で侵入をあきらめる確率が高いといいます。

私の自宅は、建物内にホームセキュリティー、外周面には6台の防犯カメラ、敷地内に侵入すると作動する赤外線センサーやセンサーライトなどを8台設置しています。日中、在宅中でも安心して窓を開けて日常生活ができるように、フェンスや玄関門扉もスリットで見通しは利きますがかなりの高さで防犯性能を確保しています。東京のオフィスや自宅も24時間常駐警備のマンションで活動しています。

いつも私の自宅やオフィスを訪れる方は徹底したセキュリティー対策にまず驚かれます。しかし取られて困るような金品は何もありません。あくまでも私は家族が安心して暮らせること、安心して就寝できることが、住まいとして一番重要だと考えているからです。

また全国からおみえになる、多くの家相相談に対しても、自らの実体験も踏まえてハイレベルな防犯対策のアドバイスを行いたいからなのです。物騒な世の中を反映してか、最近はこれらの防犯装置の性能もよくなり、夜間でも鮮明に写るカメラや、カメラにいたずらをしたり、ケーブルを切断したりするだけで非常警報を発するものもでてきました。インターホンの中にも、簡易的ではあれ、防犯カメラの機能が付いているものも増えてきました。人が近づくと、静止画像を順次記録しておくのです。マンションなどでは、既設のものと交換して設置すれば、ピッキング防止にも役立つでしょう。


最近は高層のマンションでも、屋上からロープを使ってベランダへ侵入するケースも見られるそうです。もはや、オートロックがあるから高層階だからといって油断はできません。高度な防犯的シュミレーションがなされているか、セキュリティーが考慮されているかという点も、マンションを買ったり借りたりする際の、重要なチェックポイントといえるでしょう。

日本では昔から、「水と安全はタダ」という意識が強いのですが、ミネラルウォーターが盛んに売れているように、住まいの安全もお金を出して確保する時代が来たのかもしれません。そして、留守中の空き巣を防ぐ目的から、在宅中の安全を確保する時代に突入したとも言えるでしょう。

ただし、家族の安全な暮らしを守る一番のポイントは、一人一人の防犯意識です。ホームセキュリティーも、ライトもカメラも、肝心のスイッチが入っていなければ何にもなりませんからね。



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