南西の裏鬼門のトイレ |
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「鬼門のトイレ 南西編」、今回は裏鬼門の南西のトイレです。なぜ、南西のトイレが家相学上よくないといわれるのか、また、南西にトイレがある場合はどのように対策をすればよいか、お話してまいりましょう。 「南西の鬼門に厠(かわや)あれば、もっとも祟り害強し、且つ又牛馬も育ちがたし、主人病身にして短命なり」。南西のトイレは昔からこのような言葉で、家相上最も忌み嫌われていました。昔は大切な財産のひとつでもあった牛や馬などが育たないだけでなく、一家の主人が短命であるとまでいわれていたのです。南西のトイレがこれほどまでに恐れられた理由とは、いったい何だったのでしょう。それは、“南西”という場所の特性にあります。南西という場所は、西日が差し日当たりはよい場所です。しかし、西日には紫外線の照射量が少なく、東南に差す日光ほどの殺菌力はありません。つまり、温度はかなり上昇するものの、殺菌力には乏しい場所といえるのです。この南西にトイレがある場合、夏の暑さによる体への負担と、温度の上昇による物の腐敗が、“災い”のもとなのです。 昔から、日本の家には西日を防ぐ習慣がありました。夏の西日が単に暑いだけでなく、人間の体に負担を与え、物を傷めることを先人たちは知っていたからです。それゆえ、南西にトイレをつくることを上記のような言葉で戒め、また、南西や西側に大きな開口部をつくることを避けたのです。しかし現代の家は、開口部を多く取ることを良しとする傾向が強く、南西や西側にも大きな窓をつくるケースが増え、また敷地や設計の制限上、南西にトイレをつくらざるを得ない場合もあります。 西日を遮ってくれる建物などがあればよいのですが、そうでない場合には、南西や西側のトイレは、夏は暑くて非常に使いづらいトイレとなってしまいます。もともとトイレは、開放的に使う空間ではありませんから、締め切った状態では風通しも悪く、トイレ内の温度は上昇する一方です。昨今では、食生活の変化やストレスから、便秘に悩む人が多いといわれていますが、このように暑いトイレでは落ち着いて排泄することもできませんし、体に負担もかかります。 また、トイレ内の温度が上昇すると、雑菌も繁殖しやすくなります。この雑菌によって、健康を脅かされないとも限りません。かつて、明治10年には、東京でコレラが大流行しました。大阪市でも、明治19年と23年にコレラの大流行がありました。排泄物の処理の仕方で、当時は家族だけではなく、近隣にも大きな被害をあたえていたのです。今日まで、私たち日本人がトイレの位置を気にする理由には、このような恐ろしい病気の事実も関係していることと思います。現代のようにトイレの水洗化が進んだとはいっても、まだまだ下水道の普及には地域差があります。下水道の普及率が20%、あるいは8%といった地域もあるのが現実なのです。 *コレラ 法定伝染病の一つ。コレラ菌によって小腸が侵され、激しい下痢と高熱を伴う急性伝染病。 それでは、南西のトイレには、どのような対策法があるのでしょうか。それは何よりもまず、夏の暑さを和らげることです。そのためには遮光の工夫が必要です。遮光カーテンやブラインド、スクリーンは思うほど効果がありません。簾(すだれ)や葦簾(よしず)、遮熱高断熱複層ガラスなどで、夏の西日を外部で防ぎましょう。戸建ての住宅であれば、トイレの窓の外に葉陰をつくる落葉樹などを植えるのもひとつの方法ですね。またスペースがあれば、小型の扇風機などを壁に付けたり置いたりして、少しでも涼しく使用できるようにするとよいでしょう。 内装材やインテリア小物には、夏期はホワイト系、または薄い寒色系の色を使って涼しげな雰囲気を演出しましょう。照明も、夏は白っぽい光の蛍光灯のほうがおすすめです。もうひとつ、南西や西側にあるトイレの場合は、隣家からの視線にも配慮したいものです。家の南西や西側は、西隣の家の東南や東側と接することになります。この東南や東には、リビングなどの大きな窓があることが多く、隣家からトイレが見られやすくなります。このような場合には、隣家の状況もよく考えて、トイレの窓の位置や大きさを決めるとよいでしょう。 裏鬼門のトイレの“災い”とは暑さだったのです。現代のように水洗トイレも下水道もなかった昔には、“南西の厠”が病気のもととなり、主人が病身であったり、短命であったりした例もあったのでしょう。現代とて油断はできません。地球の温暖化や異常気象などで、私たちは昔よりはるかに暑い夏を過ごしているかもしれないのですから。 |
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