水をこだわるは吉 |
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「井は人命の繋がる処、至重のものなれば、もっともその吉所を択び良水を求むべし」。 これは、家相の古書にある一節です。「井戸(飲み水)は人の命につながる重要な場所。井戸はよい場所を選び、よい水を求めるべきである」という先人の言葉です。蛇口をひねれば当たり前のように水が出てくる現代と違い、当時は苦労して井戸を設けたり、川に水を汲みに行ったりと、飲み水ひとつを得るにも苦労していた時代です。苦労するからには、よい水を求めるのも当然のことでしょう。 昨今は井戸を利用する家庭も少なくなりましたし、井戸と併用はするものの、飲み水は上水道というケースが多いようです。ですから、「もっともその吉所を択び良水を求むべし」といえども、現代では水の良し悪しを選ぶこともなく、また選ぶこともできず、水道の蛇口から出る水を、当たり前のように利用されている方が多いはずです。 ![]() 「水道の水であれば安心して飲用できますからね」と、以前ならそのようなお話もできたのですが、みなさんもご存知のように、ここ最近は水道にまつわるとんでもない事故も多かったですね。大阪のテーマパークでは、約9ヶ月間に渡り、園内の水飲み器の1つに工業用水が供給されていることが分かりました。この工業用水は、淀川から取水後、沈殿処理をされただけで、塩素消毒処理は行われていない水でした。また、ある住宅地では、家庭用の水道と工業用水を間違って配管し、6年もの間、気づかずに放置されていたのです。 このような配管ミスはもってのほかですが、鉛製の水道管(道路から建物までの引き込み部分)が、国内にはまだ850万世帯分以上も残っていることが、最近の調査でわかったそうです。鉛は体内で濃縮される性質を持っており、鉛を含む水道水を飲み続けると、胃腸障害や不眠、頭痛などの慢性症状を引き起こすおそれもあります。「世界保健機関(WHO)」の飲料水の水質指針では、鉛濃度は0.01mg/?以下となっていますが、日本にはこの基準をクリアできそうにない地域が多くあるのが現状です。 また、水に関しては「トリハロメタン」という名前もよく耳にします。このトリハロメタンは、浄水場で水道水を浄化する際に使用する塩素が、有機物と結びつくことで生まれるものです。トリハロメタンもまた、体内に蓄積、濃縮されることで、肝臓や腎臓の機能を低下させ、発ガン性も疑われている物質です。 ![]() その他、水を脅かすものには「クリプトスポリジウム」という原虫もあげられます。平成8年6月、埼玉県越生町の水道水がこのクリプトスポリジウムに汚染され、多くの町民の方が下痢や腹痛を発症しました。安心して飲めるはずの水道水にも、私たちの健康を脅かすものが少なくありません。
風土・水勢から、住居や埋葬の地を選定する風水学では、古来から、良質の水が得られる場所をよい場所として、都市や城、住居やお墓を形成してきました。以前お伝えした京都にしても、先回の記事の沖縄の世界遺産群にしても、風水学上よい場所といわれるところは、すべて良質の井戸水、良質の川の水に恵まれています。 人間の体は約60%が水分だといわれています。1日に2リットル近く飲む水が、きれいな水か汚れた水かでは、健康運にも大きな差が出て当然です。よい水が得られる環境に住むことは、人間が健康で幸せに過ごすためにも大変重要なことなのです。しかし、風水学上よいといわれた場所も、現在では都市化や観光化が進み、よい水を得られなくなってきました。特に昨今は、自然に囲まれた場所だからと思っていても、産業廃棄物が捨てられていたり、農薬が水源に流れ出していたりすることもめずらしくありません。よい水を飲もうと思っても、よい水が少なくなってきているのが、今の日本の現実でしょう。しかし、「水は命につながるもの」。どうせ飲むなら、よい水、おいしい水を飲みたいものです。 安心して飲めるおいしい水こそ、私たちの命をつなぐ“良水”ですからね。浄水器で鉛やトリハロメタンなどの有害物質を取り除き、飲用だけでなく、毎日の料理や炊飯にも使っています。よい水をたくさん飲むこと、私はこれを健康法のひとつとしています。今のところ、日本の水道水はまだ安全なほうだといわれています。しかし、「良水を求むべし」という先人の言葉は、今を生きる私たちにこそ必要な言葉だと思うのです。よい水を得ること、飲むことを、決してあきらめてはいけません。私たちの体の半分以上が水分である限りは…。 |
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