家相学は家窓学 
「南に大きな開口部をつくるは大吉なり」

先回の記事では、窓のサイズを小さくすることも大切だというお話をいたしました

今回は逆に、窓を大きく開けてほしい場所、また大きく開けることの意味をお話していきましょう。


画像資料提供  トステム株式会社

「マンションの家相学」でもお話しましたが、北や南、東や西といった方位にはそれぞれ特性があり、太陽の当たり方にも違いがありますね。私はいつも、鑑定にみえる方たちに、「洗濯物はどこに干したいですか?太陽の当たる南側ですか、それとも日陰の北側ですか?」と質問するのですが、みなさん迷うことなく、即座に日当たりのよい南側に干したいとお答えになります。



大吉の住まいをつくるポイントも、これと同じと考えてほしいのです。

私たち人間は、夏になれば1日数リットルの汗をかくといわれています。家族4人で生活すれば、この汗の量だけでもかなりのもの。その他、調理で発生する水蒸気やお風呂からの湿気などを合わせれば、恐ろしいほどの量の湿気が住まいの中に滞っているのです。



これらの悪い気(湿気)をどう排出するか、そして、住まいの中をよい気(清浄な空気)で満たすためにはどうしたらよいか。

もうお分かりですね。太陽の光で洗濯物を乾かすように、住まいにも南の乾いた空気をしっかり取り込むことが大切なのです。日本の建物は、欧米に比べ極端に寿命が短いことは以前にもお話しました。湿気で建物が傷みやすいからです。だからこそ、住まいの中に乾いた暖かい空気(よい気)を取り込むことが大切になります。そのためには、住まいの南側にはできる限り大きな開口部をつくってほしいのです。紫外線の殺菌効果や暖かさ、明るさを持った南の光を大きく取り入れていただきたいからです。

ただし、ここで注意していただきたい点がひとつあります。いくら南側に大きな開口部をつくることが吉だとしても、建物の角々はきちんと壁量を確保しなければ、地震に弱い建物になりかねませんね。また、必要以上に開口部をとりすぎると、実際に住んでから家具の配置で悩むケースも出てきますから、そのあたりもよく考慮しましょう。

そしてもうひとつ、南側に大きな開口部をつくることには大きなメリットがあるのです。


夏場の日当たりをCGで見た場合


冬場の日当たりをCGで見た場合

上記のCGは、私が間取り診断機能、収納スペース診断機能の考案権を所有し監修を行なっている3Dマイホームデザイナーを使用しています。下記のような季節、地域、時間ごとの室内への日当たりのシュミレーションも行なうことができます。



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夏の暑い時期、公園などで屋根のあるベンチに座ると、思いのほか涼しく感じられることがありますね。上記のCG図をご覧いただければわかると思いますが、地域によって違いはありますが、夏の太陽の高度は80度近くに上がります。南側に差す光は、この太陽の高度が高い時間帯ですから、意外に部屋の奥までは入りません。また、夕方になれば日差しもなくなりますから、太陽が低くなってから差し込む西側ほど、暑さも厳しくはならないのです。つまり、太陽の光の「オイシイ部分」とだけ、うまく付き合えるのです。

ただ、西側ほど暑くはならないといっても、やはり夏は少しでも涼しく、快適に過ごしたいものですね。そのポイントが、先ほどの「ベンチの屋根」です。

みなさんが住まいづくりをされるときには、南側の窓に庇(ひさし)を設けてあげましょう。庇があることで、日差しが適度に和らぎ、夏はより涼しく過ごせるようになります。また冬場は、地域によって差がありますが、太陽が35度前後の高度になるために、庇があっても日差しは部屋の奥深く差し込み、暖かい空間になります。



理想的な庇のサイズは、窓の高さの約3分の1ほどと考えていただければよろしいでしょう。シャッターケースや窓上の小さな庇でも、ある程度は日差しを遮ってくれます。



現代ではこのようなアルミ形材製の庇もある  *画像提供許可

南に大きな開口部をつくること。そしてそこから、乾いた清浄な空気をしっかり取り込むことで、家の中もよい気に満ち、健康的に過ごせる大吉の住まいとなるでしょう。

小池康壽の現代家相学では、「南に大きな開口部をつくるは大吉なり。夏意外に暑くなく、冬は暖かなり。庇つけることでより吉となり」と申しておきましょう。
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