魔法のじゅうたん |
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ここ最近、鑑定依頼の間取りに、ひとつの傾向が見受けられます。それは、2階(時には3階にも)にお風呂や洗面所、台所がある家が多くなってきたことです。2世帯住宅などではめずらしいことではありませんが、最近は単世帯の家の場合でも、2階のお風呂や2階の台所をよく見るようになりました。![]() これらの傾向には、3階建て住宅が多くなったこともあげられます。ひと昔前は「普通」でなかった土地の値段も徐々に下がり、小さいながらも、便利な都市部に家を持ちたいという方が増えてきたのでしょう。私のところにも、3階建て住宅の相談がよく来るようになりました。3階建ての場合には、家族みんなで使うお風呂や台所、リビングなどのスペースは、家族が集まりやすいように2階に配置されることが多いようです。また2階建ての場合でも、日当たりや風通しのよい2階に、リビングやダイニング・台所など、家族で使うスペースをつくるケースが増えてきています。住まいに自然をうまく取り入れることは、家相上も大切なこと、このような設計には、私も基本的には大賛成です。 しかし、2階にお風呂や台所をつくったものの、はたして家相上これらがよい ものかどうか、気にされる人も多いのです。現に私の自宅でも2階のトイレで水漏れ事故がおきました。確かに、2階の水周りを「凶」とする見方もありますが、それは水漏れなどの事故や、メンテナンスの面から不安が残るという意味のものだと私は解釈しています。高性能のユニットバスやシステムキッチンが普及している現代でも万全ではありませんからね。 こうお話して、ほとんどの方がひと安心された時、すかさず私はこう尋ねるのです。「ところで、この図面にはエレベーターが見当たりませんが…。」2階建てや3階建てで、2階・3階にお風呂や台所があるというこれらのプランのご主人は、20代・30代の働き盛りの方ばかりです。まだまだ階段の昇り降りが苦痛になる歳ではありません。体に何かしら支障が出るとしても、それはずいぶん先の話と思われているのでしょう。ですから、図面にエレベーターがないのです。 ![]() しかし、私たちはいつ、事故や災害で一時的にでも体に障害を持つようになるかわかりません。万が一交通事故や労働災害などで、自分や家族が体に障害を持ってしまった場合、お風呂や台所が2階や3階にある家での生活は、本人にとっても、介護する家族にとっても、大きな負担になることでしょう。私が今までに鑑定した3階建て住宅も、1階に寝室や書斎を、2階にリビングや台所・お風呂などの水周りを、3階に子供部屋を配置した図面ばかりです。そして、そのほとんどが、図面には階段があるだけでした。 誰しも若くて元気なうちは、将来高齢になったときのこと、ましてや、事故などで自分や家族が体に障害を持ったときのことなど、考えてもみないでしょう。しかし、それはあり得ないことではないのです。自然をうまく取り入れ、家相上よい家をつくったつもりでも、歳をとったとき、万が一自分や家族が体に障害を持ったときに、生活に負担を感じるような家では家相上よいとは言えません。 今は若くて元気でも、2階や3階にお風呂や台所をつくる場合は、エレベーターの設置や対策を考えましょう。エレベーターがあれば、将来的にも、また万が一の場合にも、生活上の不安も負担も取り除くことができます。さんさんと日が当たり眺めのよい3階にも、安心してお風呂や台所をつくることができますし、2世帯で暮らす場合には、おじいちゃん、おばあちゃんも家の中を楽に行き来できます。3階の子供部屋で、孫と遊ぶことだってできるでしょう。エレベーターはまさに「魔法のじゅうたん」なのです。 住宅用のエレベーターというと以前はコストもかかりましたが、最近は油圧式の1人乗り用小型エレベーターも発売され、年々需要も伸びてきているそうです。スペースの問題でエレベーターの設置が難しい場合でも、簡易的なものですが階段昇降機を設置することもできます。すくなくとも階段の壁補強や電源を階段の周辺に設置しておくことも大切です。 昨今は住宅の寿命も長くなりつつあり、30年・40年後のライフスタイルを想定して家をつくることも必要な時代になってきました。「魔法のじゅうたん」がある3階建て住宅は、現代家相学上「大吉」の家なのでありますから。 |
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2005 家相研究家 小池康壽
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