魔法の光線 |
|---|
| 前回の「色で大吉の家づくり」では、住まいの中の「色」が、私たち人間に与える影響についてお話しましたが、実はもう1つ、大吉の家づくりのために、住まいにうまく取り入れていただきたいアイテムがあるのです。それは「光」、つまり「照明」です。照明もまた、現代家相学では重要なアイテムなのであります。今回はその「照明」について、お話してまいりましょう。 皆さんご存知のように、照明器具のランプには「蛍光灯」と「白熱灯」の2種類があります。ランプの形や寿命、価格などもさまざまですが、現代家相学上注目すべきは、その光の「色」です。「なんだ、また色の話か…」と思われてしまうかもしれませんね。しかし、この光の色をうまく取り入れることで、住まいの快適性や安全性は大きく変わってくるのです。 白熱灯の光は、ご存知のように、赤みがかった暖かい感じのする光です。一方、蛍光灯の光には、青みがかった涼しげな「昼光色」、白くさわやかな「昼白色」、白熱灯のような赤みのある「電球色」の3種類があります。前回、赤などの暖色系は暖かく感じ、部屋を狭く感じさせること、また、青などの寒色系は寒く感じ、部屋を広く感じさせることなどをお話しました。照明の光も然り、白熱灯や蛍光灯の電球色は、部屋に暖かみや落ち着き、くつろいだ雰囲気を与えます。そして、蛍光灯の昼光色や昼白色は、涼しさやさわやかさ、広がりやスッキリした印象を与えてくれます。 下のCG画像をご覧ください。この画像はどちらもダイニングを想定し、色の3原色である「RGB」を、コンピューターグラフィックス上で表現したものです。2つの部屋は同じ広さ、同じ内装材で、照明の光だけを蛍光灯(昼光色)と白熱灯に変えています。上のCGは白熱灯を、下のCGは蛍光灯を想定しています。 白熱灯 ![]() 蛍光灯 ![]() 両者を見比べてみると、白熱灯のほうは暖かみと多少の圧迫感を、また蛍光灯のほうは、涼しげでスッキリした印象を受けると思います。照明の第一の役割は、文字通り“明るく照らす”ことですが、このような光の力を知って効率的に設置する場合と、知らずに設置する場合では、人間に与える生理的、心理的な影響は、室内の色と同じく大きく違ってくるのです。 では、この光の力を、住まいにどう取り入れればよいのでしょうか。それは、その部屋の環境と目的を考えることがポイントとなります。たとえば、鬼門の北東にある部屋の場合。冬の寒さが「凶」となるこの部屋は、内装やインテリアの色を、暖かさを感じる暖色系にするとよいと前回お話しました。この場合やはり照明も、暖かみのある白熱灯や蛍光灯の電球色を使い、色と光のダブル効果で、冬の寒さを和らげることがおすすめです。また、夏の暑さが「凶」となる南西の部屋には、寒色系の内装やインテリアと合わせて、蛍光灯の昼光色や昼白色を用いると、涼しげに感じることができます。 「寒い」・「暑い」といった環境と合わせて、その部屋の用途や目的を考えることも大切です。たとえばダイニングの場合は、光の色によって食材や料理の“見え方”が変わってくるのです。ダイニングには白熱灯が望ましいといわれますが、白熱灯の光には、食材をそのもの本来の自然な色に見せる力があるのです。また、落ち着いた雰囲気を持つ光が、食事の時間をゆったりと、くつろいだものにしてくれるという良さもあります。寝室も、白熱灯や蛍光灯の電球色のような、赤みのある光のほうがよいでしょう。白っぽい光は眩しく感じ、眠気が覚めてしまうこともあります。寝室は明日への英気を養う場所。快適な睡眠を得るためにも、照明の光には配慮したいものですね。トイレや廊下も、夜中に使用することの多い場所ですから、眩しさが少なく、すぐに点灯する白熱灯がおすすめです。 一方、子供室や仕事部屋などには、蛍光灯の昼光色や昼白色がよいでしょう。部屋全体を明るく照らすことができるうえ、青白い光の色が、勉強や作業に集中しやすい環境をつくってくれます。「青」が作業効率を向上させる色であることは、前回もお話したとおりです。 作業をするという点ではキッチンも同じですが、刃物や熱湯、火を使うキッチンでは、安全に調理作業をするためにも、十分な明るさが必要です。主の照明、手元灯とも、蛍光灯で明るさを確保するとともに、取り付け位置などにも配慮しておきましょう。 ![]() 洗面所と浴室は、その場所や季節によって、光の色を使い分けるとよいと思います。寒い北東や北側、また冬季なら、白熱灯や電球色を。暑い南西や南側、夏季なら、昼白色や昼光色といった具合にです。幸いにも、一台で白熱灯と蛍光灯に切り替えられるという、優れものの照明器具もあるのです。ただし、洗面台の照明は、できれば蛍光灯のほうがよいでしょう。蛍光灯の昼白色の光は、肌の色を自然な色に見せてくれるからです。 ここまでは、おもに照明の光の色についてお話してきました。しかし、家相学上は、その取り付け方もまた、吉凶を左右する重要なものなのです。 鑑定の際、私が照明について一番アドバイスをする場所が「階段」です。以前の記事、「階段は地獄の一丁目」でもお話しましたが、階段は年間で850人もの方が亡くなるという、大変危険な場所なのです。特に、「家の中央に段梯子(階段)がある家は忌むなり」と昔からいわれるように、家の中央のような暗い場所にある階段は、転倒事故などが起きるおそれも高いのです。「照明があるから大丈夫だよ」と思われる方も多いでしょうが、その照明の明るさが十分でなかったり、逆に眩しすぎて、より危険な状況をつくってしまうケースもあるのです。家の中央に限らず、安全性重視の階段の照明は、その取り付け位置にも配慮が必要です。 階段の照明で一番重要なのは、階段の段差がはっきりと見えるようにすることです。自分の体が影をつくり、足元を暗くしてしまったり、照明の光の眩しさが、足元を見づらくしてしまうことは望ましくありません。階段の形状にもよりますが、できればCGのように、3箇所ぐらいから光が照射されるようにすると、昇るときも降りるときも影をつくらずに済むでしょう。また、ランプの光が直接目に入らないようなデザインのものがおすすめですし、最近では階段に照明が埋め込まれたもの、階段の足元巾木に照明が埋め込まれたものもあるので利用されるとより安全です。横浜の国民消費者センターの敷地内に、家庭内事故を解明するための実験施設があります。私も昨年、この施設を見学させていただきました。階段の形状や角度に加え、照明の位置も、事故との因果関係が研究されています。最近では、全体的、平均的に光を照射するため、階段の手すりや踏み板に埋め込まれた照明も開発されているようです。命にかかわる場所だけに、階段の照明計画をきちんと立てることは、家相学上も非常に大切なことなのです。 光ひとつで、暖かくも寒くも感じ、食事もおいしく感じられます。また、危険な場所を安全にしたりと、照明の光はまさに「魔法の光線」ともいえるでしょう。 RGB さんげんしょく【三原色】 すべての色を再現するのに必要な三種の色。人間の視覚のもつ性質により、三種の色ですべての色が表現できる。加色法では赤・緑・青の三色、減色法では赤紫(マゼンタ)・青緑(シアン)・黄の三色。前者は三台の投光器などでスクリーンに投光した場合などで、後者は絵の具などを混合した場合である。三色。 国語大辞典(新装版)小学館 2ページ目のCG: 白熱灯は赤=255 緑=255 青=0で構成 蛍光灯は赤=0 緑=128 青=225で構成 |
このサイトをご利用いただく際の、著作権に関するお願いがございます。
(C)copyright
2005 家相研究家 小池康壽
![]()