窓は上下にも振り分けろ

家相学は家窓学  出窓が多すぎるは大凶なり  窓のサイズはこう決めろ  南に大きな開口部をつくるは大吉なり   トップライトは灼熱地獄?    幸せを呼び込む窓 などの多くの記事でご紹介してきたように、「窓」は住まいの快適性を大きく左右するものです。住まいの窓をテーマにした「家相学は家窓学」、今回は「窓は上下にも振り分けろ」です。


画像資料提供  トステム株式会社

全国からお越しいただく方々の間取り図面を拝見していると、細やかな気配りのないまま、ただ窓を配置しているだけの図面が多いことを改めて感じます。特に平面図の段階では、窓をどこに配置するかの打ち合わせだけで、そのサイズや取り付ける高さまでは、考えが及ばないのが現状でしょう。

住宅のプランは、何度も変更を重ねて最終的に決められていくものですが、昨今は何社からも見積もりを取る施主も多く、業者にとっても厳しい状況でのプラン打ち合わせになることもしばしばです。業者側も、どうせ合い見積もりだから、また変更になる可能性が高いからと、初期のプランでは細やかな配慮まで盛りこまないことが多いのです。そしてそれが、そのまま最終プランまで続いてしまうケースもあるのです。

「大吉の住まいは担当者の質で決まる」でも書きましたが、営業担当や設計者も経験が深まると、窓もただつけるのではなく、北風が当たる場所は開口部を調整したり、光を多く取り入れたい方向は、構造的な安全性を確保した上で積極的に開口部をとったりと、配置する場所によって強弱をつけてくれます。

そして、もっとテクニックを使ってくれるレベルの高い設計者にめぐり合うと、窓を上にも下にも自由自在に操ってくれるのです。しかし、全国から訪れる方々の設計プランを拝見していても、そのような細やかな配慮がなされているプランは、ごくごく限られるのが現実です。

ところで、窓を上にも下にも操るとは、どんなことなのでしょう。それは、周囲の状況などに合わせて、窓の取り付け位置を高くしたり、低くしたりすることです。



まず、窓を「上」につける場合ですが、よくあるのはこんなケース。先に建てられた隣の家の窓と、自分の住まいの窓が直接向き合ってしまう場合です。プライバシーを確保するために、窓を取り付けないでおくのでは、住まいに風が通りません。また、窓はつけたものの、住んでから窓を開けられないのでは、窓をつけた意味がありませんね。





そんな場合はCGのように、窓を天井部分に近い上部に取り付けたり、細身の縦長窓を採用するとよいのです。そうすれば、プライバシーを守りながら窓を開閉することができ、気の流れを効率的に確保できるでしょう。また、窓を上部につけることで、夏の暑い時期には、部屋の上部にたまりやすい熱気を効率的に排出できますし、壁面が増える分、家具なども配置しやすくなるでしょう。窓が高い位置にあれば、防犯面でも有利になるはずです。そして庇により西日も効率よく防いでくれます。

一方、窓を「下」に取り付ける場合ですが、これも西日の対策に有効です。西日の暑さを体験した人であれば、西日が住まいの快適性を大きく左右するものであることはご存知でしょう。しかし、単純に西日を嫌い、窓を極端に小さくしたり、窓をまったく取り付けないようなことをすると、逆に風通しが悪くなってしまいます。西日を嫌うがために、かえって暑い住まい空間をつくってしまうことになりかねません。



そんな時、今度はCGのように、窓を床面に下げて取り付けてあげるとよいのです。これを「地窓」といいますが、和室のように畳に座ったり寝たりする部屋では、人が生活する床面に風が通りやすくなり、気の流れを確保したより快適な空間になります。窓の外に樹木などを植えれば、木陰の涼しい空気を室内に取り入れてくれることでしょう。



このように、窓はただ取り付けるだけではなく、上に下にと移動させる知識を持って接してほしいと思います。そうすれば、プライバシーを守りながら気の流れを確保でき、快適な室内空間ができるでしょう。

小池康壽の家相では、「窓は上にも下にも動かす秘術知るなり。熱気を排出し、座した空間に気の流れ確保できるなり」と申し上げておきましょう。



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