階段は子供の心を表す打楽器だ

ここ何年か前から、子供の非行や自殺が大きな社会問題になっています。平成10年度の文部省の調査では、小学生4人、中学生69人、高校生119人の計192人もの子供が、自ら命の灯を消してしまいました。さらに問題なのは、その内の62%の子供たちの自殺の理由すら不明なことです。また凶悪な少年犯罪もここ最近急増しています。親が子供の心を読み取れれば、防げたかもしれません。



新潟で起きた少女監禁事件、金属バットで親を殺害してしまった事件や、女子高生を監禁したあげく殺害してしまった過去の事件などは、すべて玄関の脇に階段がある間取りであったと報告されています。このような場合、子供は玄関からまっすぐ自分の部屋に上がっていきやすいのです。子供が外出したことにも帰宅したことにも親が気づかず、子供は放任されやすい状況にあったといわれています。階段の位置が子供の性格や親子関係に与える影響は、思いの外大きいのです。

すると今度は子供の行動がよくわかるからと、リビングの中に階段をつくる方がいますが、親が子供を見過ぎるがためについ口を出し過ぎたり、かまい過ぎたりする過干渉・過保護を私は心配いたします。親という字は「立つ木の陰から見る」と書きます。親と子供の関係は、たしかに上記の事件の例のように放任もいけません。しかし、親が子供を見過ぎるのもよくないと私は思います。私は子育ても終わり、現在孫との接し方を勉強中ですが、その経験からも、子育てには適度な間合いも必要だと言い切れます。

家相は、住まいの環境や構造などから人間の人生を占うものですが、階段ひとつでも子供や家族の人生を大きく変えてしまうのです。なら、どこに階段を作ればよいのですかと思われるでしょう。

そこで私は、階段と台所を隣同士につくることを提案しています。主婦は、台所に一日約4時間から6時間滞留しているといわれています。主婦にとって滞在時間の多い場所である台所と階段が隣接することで、階段を昇り降りする子供の足音が自然と聞こえやすくなります。住まいにおいて、音というものはどちらかというと邪魔者扱いされてしまいますが、階段を昇り降りする音には、意外に人間の気持ちが表れているのではないかと、家相研究家として考えています。

嬉しいことがあった時は足音も軽やかでしょう。また悲しいことがあった時の足音は静かでしょう。耳を傾けていれば、徐々に音で子供の心がわかるようになると思います。子供は辛い時悲しい時にも、親に心配をかけまいと、わざと明るく振る舞ったりするものです。目で見て判断するだけでなく、「階段は子供の心を表す打楽器」だと思って子育てに利用していただきたいと、私は考えます。

子供「放任」は凶、子供の姿「見すぎる」はもっと凶なり。適度な間合い必要とするなり。「階段を子供の心表す打楽器」と思うと善しとすべし。と私の現代家相書に加えておきましょう。

<注意事項>
自治省消防庁のデーターでは、火災発生時に階段が煙突の役目をしてしまい、逃げ道が確保されにくいという指摘もあります。階段と台所が隣接することで、火災発生の初期の段階で音や煙が2階に上り、就寝時にも火災に気付きやすいというメリットがある反面、初期段階を過ぎた場合には、台所と階段が近いことで逃げ道をふさがれてしまうことも懸念されます。台所と階段を隣接させる場合は火災自体を予防することも重要です。火災警報機の設置や、火を使わないIHヒーターの採用などの予防的対策を考慮し、ベランダなどからの緊急避難計画も十分検討するべきです。  自治省消防庁

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