建築基準法を守らぬは大凶なり

みなさんは「建築基準法」という法律はもちろんご存知ですよね。家を建てるときには必ずお付き合いすることになる法律ですが、この建築基準法には、建蔽率や容積率をはじめ、守らなければならない項目が数多くあります。それらを守らない住まいも、絶対つくってほしくない住まいのひとつです。「こんな住まいは絶対つくるな!」シリーズ。第4弾の今回は、「建築基準法を守らぬは大凶なり」です。

全国から訪れる方々の図面を拝見していると、かなりの頻度で建築基準法を無視している図面を目にします。中でも多いのが下記の図面のようなケース。この図面は建築基準法に違反しています。さて、どこが違反しているのか、みなさんわかりますか?



この図面の北側にある2部屋は、それぞれ寝室、子供室と表記されていますね。実はこの2部屋が「違法」なのです。「この2つの部屋は採光が確保できないので、寝室、子供室をつくることは違法になりますよ」と私がお話しすると、ほとんどの方が一様に驚かれます。「隣は今は空き地で家は建っていません。ですから光は十分入ります!」「大きな窓にしたのですが!」という方もみえますが、建築基準法では、現在の周囲の状況には関係なく、あくまでも自らの敷地の中で光が入る条件を要求してきます。

ですから、隣が空き地で光が入る状況であっても、隣地境界線から定められた距離(用途地域や屋根の軒の出、窓の形状など、さまざま要因で変わってくる)がとられていないと、人間が健康で快適に暮らすために必要な光が、室内に入らないと判断されてしまうのです。「隣地は空き地で家が建っていない」とか、「裏は親戚の土地で、ここしばらくは家を立てる計画はない」などといっても、問答無用、許可はおりません。今は建ってなくても、将来は建つものと考えられてしまいますからね。



私が気になるのは、このような場合、業者側からその説明を受けていないことが多く、「知らなかった」「説明されていない」という方が意外に多いことです。また、間取り図や設計図に部屋の表示(子供室、寝室、納戸など)をまったくせずに打ち合わせを進め、業者が説明も十分行わず、採光不十分な部屋は行政に「納戸」と申請して、建築を進めていく悪質なケースもあるようです。

居室(人が生活する部屋)である寝室や子供室には採光が必要ですが、納戸であれば、建築基準法上採光は必要ないとされますからね。子供室としてプラン打ち合わせをしてきたのに、図面を見たら「納戸」になっていたというのもよくある話。きちんと説明があればまだよいですが、採光という建築基準法のルールや、なぜ採光が必要なのかという大事な部分を省き、「納戸として申請すれば許可は下りますから、建築後は子供部屋、寝室としてお使いください」と簡単に済ませてしまう業者も実に多いようです。

建築基準法は、家相と同じく、住まい手の健康や安全を願うことが骨子となっています。建築基準法を無視した住まいは、当然「大凶」の住まいとなるのです。採光のルールにしても、隣地境界線と窓との距離が離れていないと、光が入りにくいだけではなく、風通しも悪くなりますよね。



光と風は、人間が健康で快適に住まうために必要なものであり、住まいを湿気から守り、長持ちさせるのにもよい効果を与えます。また防犯面でも、隣地の建物や外構から近い窓は、死角になりやすく不利になるでしょう。建築基準法を最低限守ること。また、建築基準法のルールや重要性をきちんと説明してくれる業者を選ぶこと。それがまず、吉の住まいをつくる基本であると考えてくださいね。



しかし、中には敷地面積の狭い場合など、私が図面を拝見しても、ある程度はやむを得ないなと感じる場合もあります。そのような状況の場合こそ、光と風をできるだけ取り入れられるように配慮してほしいのです。外構はできる限り風通しが確保できるよう、ネットフェンスなどを利用しましょう。くれぐれもブロック塀などは利用しないようにしてくださいね。

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