Q 新築で設計を始めたところですが、やはり鬼門にトイレやお風呂がかかるのが気になって、なかなか設計が進みません。鬼門をなくすとか、鬼門を封じる方法というのはないのでしょうか?


A 
鬼門を封じるには、「鬼門とうまく付き合う」ことですね。

家づくりにおいては、鬼門は本当に厄介な存在ですね。いっそのこと、鬼門をなくしてしまえたら…と思われる人も多いことでしょう。しかし、鬼門とは北東、南西という「方角」ですから、なくしてしまうのは所詮不可能な話ですね。

ところで、みなさんは京都御所へ行かれたことがありますか?この御所の建物は、周囲をぐるっと「築地塀(ついじべい)」で囲まれています。その築地塀の北東の角、つまり御所の鬼門にあたる場所ですが、この北東の角だけ、築地塀がわざと凹ませてあるのをご存知ですか? これは、北東の角をなくす=鬼門をなくすという「鬼門除け」なのだそうです。「なるほど、その手があったのか」と言いたいところですが、実はこの場所が、逆に災いの現場となってしまったのです。

文久3年5月20日、尊王攘夷派の公家、姉小路公知が、薩摩藩の手によってこの場所で暗殺されたという史実があります。当時は御所の周りにも家が建ち並んでおり、鬼門除けのこの凹みが死角になってしまったのでしょう。現代でも、トイレやお風呂が鬼門にかかると、北東や南西の角を避けて、わざと位置をずらしている家を見ることがあります。しかし、これは無駄な「張り・欠け」をつくるだけで、建物の強度や防犯面には逆にマイナスになってしまうのです。

鬼門に水回りをつくるな、不浄のものを置くなといわれるのは、日当たりの悪い北東は、寒くて湿気の乾きにくい場所であり、南西は暑くて物が腐りやすい場所だからです。衣服を脱ぐトイレやお風呂には、寒い場所は不向きですし、湿気が乾かないのも好ましくありません。また、暑さで雑菌が繁殖してしまうのも、特に台所などでは困りものですね。このように、いたって自然な理由からなのです。ならば、窓の取り方、設備機器や内装材の選び方などで、この寒さや暑さを改善してやればよいのです。

鬼門がよくないとされる理由を知り、それを改善する対策をすることが、鬼門とうまく付き合うことであり、鬼門を封じることだと私は思いますよ。


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