家相と風水の違い |
「家相と風水はどう違うのですか?」。鑑定や講演会などで、こんな質問をよく受けます。みなさんの中にも、「家相と風水の違いが今ひとつよくわからない…」という方が多いことでしょう。そこで今回は、家相と風水の違い、また家相と風水の関係について、お話をしてみたいと思います。![]() 家相も風水も、その根底には、人間が幸せに暮らしていくことを願うという共通した考えがあります。また元を正せば、家相は風水から生まれたものでもあるのです。しかし、ルーツは同じながら、家相と風水は性質を異にする部分が少なくありません。言ってみれば、親は同じでも性格が違う「兄弟」のようなものでしょう。 では、具体的にどのように性格が違うのか、まずは「風水」についてお話してまいりましょう。風水という言葉を辞書で引くと、「風土、水勢から住居・埋葬の地を選定するもの」とありますが、これが本来の風水の正式な解釈です。風水とは、字のごとく風と水。風は人々に安らぎや涼を与え、水は人々を潤し活力のもととなります。しかし時として、強風は住まいや農作物を脅かし、河川の氾濫は財産や命を奪うものでもありました。古代中国の人々にとって、風の流れ、水の流れを適切に判断し、家族が安心して暮らせる場所、ご先祖様を安心して埋葬できる場所を選ぶことは、とても大切なことだったのです。 その“安住の地”を選定する術こそが風水です。ちなみに、風水でいう「良い場所」とは、あたかも「龍」が勢いよくうねるような形の山脈に囲まれ、土や人々を潤す水の流れのある平地であるといわれます。山脈から流れる大地のエネルギー(風水ではこれを「気」と呼んでいます)が集結する麓の平地を良しとし、さらに、そのエネルギーを運ぶ風の流れ、水の流れのある地が、住まいや墓、都市をつくるのに適した地と判断されていたのです。 ![]() つまり風水とは、学問的には地理学に近いものといえるのです。では、「西に黄色いものを飾れば金運がよくなる」というお馴染みのインテリア風水や、「風水による恋愛占い」など、現在日本で「風水」と呼ばれているものは、本当の風水ではないのでしょうか。実はそれらは、「風土、水勢から住居・埋葬の地を選定する」本来の中国の風水とはかけ離れたものなのです。 日本流に、また現代風にアレンジされた、ニューバージョンの風水とお考えいただければよいでしょう。このように風水とは、住居やお墓の場所を選定する術であったのですが、中国の思想が物事を「陰と陽」の2つに分けて考えていたように、風水もまた、墓地に関する「陰宅風水」と、住居に関する「陽宅風水」とに分けられていたのです。 本場の中国圏では、風水は主に陰宅を中心に発展していきました。土葬を行う中国では、墓地の環境や土の質などが良くないと、ご先祖の遺骨の状態が悪くなり、子孫に災いが起きると考えられていたのです。そのため、一族の安泰・繁栄を願う気持ちからも、良い陰宅(墓地)を選定する必要があったのです。もう何年も前のことになりますが、映画で有名になったあの「キョンシー」のキャラクターも、実は良い陰宅(墓地)を求めて彷徨う亡霊だったのです。 ![]() 主に陰宅を中心に発展した中国圏の風水と違い、日本での風水はもっぱら陽宅を重視してきました。“本場”の風水の思想は、沖縄の伝統的な建物である首里城や村落、また先ごろ発見された、キトラ古墳の「四神像壁画」などに見ることができますが、日本に伝わったそれは、とりわけ住居の間取りや方位を重要視するようになったのです。それが「家相」です。 家相を同じように辞書で引いてみると、「家の位置・向き・間取りなどから吉凶を占うもの」とあります。家相も広い意味では陽宅風水であるわけですが、日本独特の鬼門思想が付け加えられ、ことのほか間取りや方位にこだわるスタイルが、今日まで受け継がれてきました。住居や墓地の場所を選定する風水に比べ、家相は家そのものを選定するものなのです。風水が地理学に近いものであるなら、家相は建築学に近いものといえるでしょう。両者の大きな違いは、まずここにあります。 もうひとつの違いは、風水には占い的な要素が強いということでしょうか。風水の本場である中国圏では、墓地や住居の吉凶には、その人の生まれ年などの運命的な要素が強く関わっているといわれます。一方、日本の家相では、鬼門は北東・南西と決まっており、人によって鬼門の方位が変わったり、鬼門が吉方位になったりすることはありません。人によって住居や墓地の吉凶が決まるのが風水なら、家相は、家によって人の吉凶がきまるものといえるでしょう。 家相と風水の違い、お分かりいただけましたか? しかし、風水の本場の中国圏でも、現代では生活事情が変わり、風水上良い土地に埋葬や住居の地を構えることは難しくなってきているようです。また日本でも、現代の住宅事情のもとでは、鬼門をクリアしたくてもできないのが現状でしょう。生活事情、住宅事情が変わっただけでなく、風水や家相が今日まで伝わってきた間には、自然環境そのものも大きく変化しているはずです。山中に産業廃棄物が投棄されたり、川の水が汚染されたりすることも、残念なことではありますが、今やめずらしいことではありません。 いつの時代にも、住まいは人々にとって健康に暮らせる場所、安心して過ごせる場所であることが望まれてきました。そのための術が風水であり、家相でした。国や時代、考え方で違いはあれども、家相も風水も、その根底にある願いは、人間の健康と幸せに他ならないと私は考えます。 家相にしろ風水にしろ、大切なのは、現代に生きる私たちが健康で幸せに暮らすこと。そのための住まいづくりには、現代に合った風水・家相が必要だと考えます。私が記事としてご紹介している「小池康壽の現代家相学」は、陽宅風水から伝わった日本独自の家相学の中から「迷信部分は排除して」、「理にかなう部分」そして、私の多くの家づくりの経験を現代家相学として取り上げています。 私の現代家相学が、現代の“安住の住まい”をつくる手助けになればと願いつつ…。 |
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