家作りに家相盤を利用するべからず |
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前回の「家相を勘違いして取り入れるな!!」では、鬼門の水回りをむやみに恐れたり、迷信を鵜呑みにしたりすると、住みづらい家になってしまうという例をご紹介しました。そして、プロが一緒に家づくりに参画するにもかかわらず、このような家相を勘違いした間取りをつくってしまうことが、決して少なくないこともお話しいたしました。
![]() なぜ、このようなことが起きるのでしょう。家を建てる方の半数以上が家相を気にするという現実がある以上、住宅業者としても家相を「ただの迷信」として一蹴できないことが、まず理由として挙げられます。 私も経験がありますが、家相を気にする施主に対して、ただ単純に家相を全面否定すれば、施主は家相を取り入れてくれる他の業者へと離れていってしまいます。業者はいくらでもありますし、施主にしてみれば、家相を取りいれることは内装や設備の仕様を決めるのと同レベルのことでもあるからです。 ですから、受注のキャンセルを恐れるあまり、住宅業者は家相を気にする施主に対し「私たちも家相を勉強しました」と伝えて、家相を取り入れた(と称した)住まいを設計していくのです。成績や売り上げにかかわれば、どうしても付き合わざるを得ない実情もあるのです。 しかし、その家相とは大方、単純に家の中心を求めて、下記の家相盤を図面の上に置き、鬼門から水回りを外すだけ。私のところへ鑑定にみえる方の半数以上が、住宅メーカーや設計士に家相が気になると伝えたところ、この家相盤を図面に置いて、水回りの位置をずらしていたといいます。表現が悪いですが、馬鹿の一つ覚えで、ただ単に鬼門に水回りをつくらないようにすることだけが、家相を取り入れた吉の住まいであると、プロである業者側も勘違いしているのです。 ![]() また、業者の中には、家相を見る占い師と提携し、施主が家相を気にすると聞くや、その占い師を紹介して家相も問題なしと安心させ、受注を取るケースもあります。一部上場企業であっても、現実にこのようなことが行なわれているのです。科学の最先端技術を研究する本部機能を持ちながら、現場ではこのようなことも行なわれており、日本の住まいが家相の呪縛から逃げられないことは、プロの側にこそ大きな責任があるといってもよいでしょう。 ここではっきり言っておきますが、このような盤を使って住まいの良し悪しを見たり、鬼門に水回りがあるかないかで一喜一憂しても、それは何の意味もありません。以前の記事でもお話をしていますが、風水の羅盤や家相盤は、中国思想の陰陽五行の考えをもとにできたものだからです。 その考え方自体が迷信の多いものですし、この盤は住まいを母屋と別棟に分けていた時代から利用されていたものです。私が所有する江戸時代や明治時代の家相の文献にも、トイレやお風呂などの水回りは「宅外之備之編(家の外につくるもの)」と定義されたなかで吉凶を判断しています。 ![]() 田舎に行くと今でも、下のような間取りの住まいを見かけることがあると思います。昔はトイレやお風呂は、母屋とは別棟につくる場合がほとんどでした。お風呂は薪を燃やして沸かし、トイレの排泄物は肥料として処理をしていましたからね。母屋から離してつくるほうが、それらの作業がしやすかったことは容易に想像できると思います。 ![]() しかし、時代は変わり、現代では水回りを母屋と別棟にするケースはまずありません。家の外につくるのなら、どの方位にでも水回りをつくることは可能です。家相盤を用いて方位を細かく分け、吉凶を論ずることもできるでしょう。しかし、時代が変わった今、住まいは何もかもがひとつ屋根の下に収まっています。 住まいの構造や生活様式が変わったのなら、家相盤もまた変化しなくてはなりません。古い迷信的な考えを持った家相盤を、そのまま現代の家づくりに取り入れるのは、無意味なばかりではなく、かえって住みづらい家をつくってしまうことにもなりかねないのです。科学の進んだ現代、迷信と割りきれることは切り捨てる気持ちが大切です。逆に、先人の知恵や経験はもう一度見直し、家づくりにうまく取り入れていきましょう。 ![]() 家相は住まいの良し悪しを見るもの。しかし、その良し悪しとは、単純に間取り図面の上に盤を置いて見るものではありません。敷地や周囲の状況、建物の構造や住む人のライフスタイルなども含め、住まいをトータルに見て判断されるべきものだと私は考えます。 そして、一人でも多くのプロの方たちに、家相を勘違いせずに住まいづくりを提案していただきたいと思っています。 |
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2005 家相研究家 小池康壽
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