神様、仏様。

家相鑑定の際には様々な相談が寄せられますが、その中でも群を抜いて多いのが、「神棚や仏壇の置き場所」についての相談です。「神棚はどこに置くのがよいのでしょうか?」また、「仏壇はこの位置でよいでしょうか?」という質問に、私はいつもこうお話しています。

「神様や仏様は、どんな場所にどんな向きでお祭りしても、それに対して怒ったり、災いを起こしたりするような方ではありませんよ」と。
             



神棚や仏壇を置く方向・場所に関しては、昔から「東向きか南向きがよい」とか、「神棚や仏壇の上を人が踏む場所はよくない」とか言われています。太陽の光を受け明るい東向きや南向きに神棚や仏壇を置くこと、また神棚や仏壇の上階は押入れなどにして、人の足で踏まないようにすることは、神様や仏様を敬い、大切に思う心の表れといえるでしょう。

しかし、建売住宅やマンション、賃貸住宅などの場合は、東や南に向けて神棚や仏壇を置こうとしても、そのスペースがなかったり、神棚や仏壇の上を赤の他人が踏んでしまったりするケースが多いのです。また、注文住宅の場合でも、敷地や設計に制約があるなどして、神棚や仏壇の置き場所に悩まれる方も少なくありません。

これらは現実的にどうしようもないことです。それに対して災いや祟りが起きるのだとすれば、建売住宅や高層住宅に住むことはできなくなってしまうでしょう。神様や仏様を、どんな場所にどんな向きでお祭りするかではなく、あくまでもお祭りする側の気持ちが大切なのだと私は思います。立派な神棚置き場や仏間を設計し、トイレなどの水周りからも距離を置き、上の階の人間が踏まないような配慮をしても、それが1週間に一度しか入らないような和室であれば、神様も仏様も寂しい思いをされることでしょう。

それよりも、毎日お供えができ、家族みんながお参りできる場所であることのほうが、神様や仏様にとっても、またお祭りする側の私たちにとっても、よいことであると私は思うのです。「苦しい時の神頼み」や「他力本願」ではありませんが、神様や仏様は私たちの心のより所であり、何かの区切りの時には神様や仏様にお参りして、気持ちを新たにしたりするものです。



私はいつも、「神棚や仏壇の位置にこだわるくらいなら、お参りしやすい環境にこだわりましょう。」とお話をしています。神棚や仏壇は和室に置くものだと思われている人が多いのですが、和室でなくても、リビングでもダイニングでもよいのです。最近では現代の住宅事情に合わせて、タンスなどの上に置ける小ぶりの神棚や仏壇、洋室でも違和感のないデザインの仏壇なども、多く販売されているようです。

それでも、どうしても方向や場所が気になる場合は、東向きか南向きが無理なら、できる限り明るい方向に向くように置くことです。また、どうしても上の階で人に踏まれてしまう場合は、半紙などに「雲」の字を書いて、神棚や仏壇の上の天井に貼っておくという手もあります。「この上は雲ですよ。この上には誰もいないですよ。」と、神様や仏様に思っていただくわけです。そうすれば、お祭りする側としても気持ちが楽になります。またよくある質問としては、同じ部屋に仏様と神様をおまつりする事が良いのかどうかという質問です。仏様の頭の上に神様をまつる事は避けるべきですが、狭い日本の住宅で、同じ部屋におまつりしてもけっして神様、仏様はお怒りになることはありません。

神様、仏様も日本の住宅事情はよくご存知ですから。

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