神棚を作るは大吉なり

毎年、初詣に行かれる方も多いことと思います。わが家も毎年、除夜の鐘を聞きながら、家族で初詣に出かけるのが恒例となっています。その際、1年間神棚におまつりした古い御札をお返しし、新しい御札をいただいてくるのですが、この御札のまつり方については、質問や相談もよくお受けするのです。そこで、今回は、みなさんのご健勝を願いつつ、神棚や御札のまつり方について、お話をしたいと思います。



以前の記事、「神様、仏様。」でもお話しましたが、神棚の置き場所やおまつりのしかたで悩まれる方は少なくありません。相手が神様だけに、「いい加減なまつり方でもしたら、それこそ災いのもと」と思われている方も多いのです。中でも御札の場合は、おまつりする“順番”を迷われる方が多いようです。初詣でいくつかの神社をまわられたり、崇敬する神社がいくつもあったりして、それぞれに御札をいただく方も多いことでしょう。

御札が増えてきますと、「さて、どのような順番におまつりしたらよいか…?」と迷ってしまうこともありますよね。いくつもの神社の御札を持つと、神様同士がケンカしてご利益がなくなるとも言われますが、おまつりする順番を間違えなければ、まず神様はケンカなさらないでしょう。実は御札には、おまつりする“順番”がちゃんとあるのです。

ところで、御札をおまつりする神棚にも、いくつかの形があることをご存知ですか?お社(やしろ)が1箇所の「一社」、3箇所の「三社」の他、一般的には馴染みが少ないのですが、「五社」、「七社」といった大型のものもあります。お気づきになられたかもしれませんが、お社の数は「一、三、五、七」と、すべて奇数となっています。それは、ある神社の御札を、必ず中央におまつりする慣わしがあるからなのです。中央のお社におまつりするその御札とは、お伊勢様(伊勢神宮)の御札です。



お伊勢様は、皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)を中心とする日本で最も尊い神宮です。天照皇大御神をおまつりする内宮は、皇室の御祖神として尊ばれ、日本人の総氏神としても仰がれています。豊受大神宮をおまつりする外宮は、衣・食・住、ひいては産業の守り神としてあがめられており、このお伊勢様の御札である神宮大麻は、毎年地域の氏神様を通じて頒布されています。

このお伊勢様の御札が、おまつりする順番の「1番」となるわけですが、たとえば「一社」の神棚におまつりする場合は、御札を納めるお社が1箇所しかありませんから、複数の御札がある場合は縦に並べておまつりすることになります。その際、一番手前にはお伊勢様の内宮である天照皇大御神の御札、次に外宮の豊受大御神。

    

    









写真提供:京都神具製作所


その次が地元の氏神様で、その後方が、他の神社や崇敬する神社というまつり方になります。「三社」の神棚の場合は、中央のお社にお伊勢様の御札(内宮・外宮それぞれの御札がある場合は向かって右側、あるいは上に内宮の天照皇大御神を、向かって左側、あるいは下に外宮の豊受大御神の御札)を納めます。右側のお社には地元の氏神様、左側のお社には崇敬する神社や他の神社の御札を納めましょう。

そして、米(洗米)、塩、水なども、欠かさずにお供えするようにしましょう。酒や榊(さかき)もお供えできればベストですね。榊のない地方では、これに替わるものとして、ひさかき、椿、杉などもよいといわれています。これらの供え方については、下図を参考にしていただければよいでしょう。もちろん、季節の初物やいただいたお土産などを、その都度お供えするのもよいことです。


また、神社からいただいた御札は、1年ごとに新しい御札に受け替えるのが慣わしとなっています。1年間おまつりした古い御札は、参拝の際などに持参すれば、神社で焚き上げてくれます。御札を受けた神社でなくても、氏神様や近くの神社でも焚き上げてもらえますから、おまつりしたままの古い御札があれば、持参されるとよいですね。


神棚もまた、本来は御札と同じように、1年ごとに新しくするのが理想的だといわれていますが、20年を節目とする遷宮に倣い、20年に一度は新しい神棚に替えるのがよいといわれています。なおその際は、さらなる家運の向上を願い、神棚を大きくしていくのが「吉」なのだとか。なるほど、「五社」「七社」といった立派な神棚があるのもうなずけますね。



「不景気」といわれて久しい昨今のこと、何かと神頼みもしたくなりますが、大切なのは“苦しいときの神頼み”だけでなく、日々健康で暮らせることを願う気持ち、感謝する気持ちなのです。住まいを新築したり、新居へ引っ越したりするのを機に、神棚を設けたいという方も多いのですが、私はとてもよいことだと思います。健康で幸せに暮らせることに感謝の気持ちを忘れなければ、もっともっと多くの「吉」が訪れることでしょう。

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