家の中の放火魔 |
|---|
| 突然ですが、皆さんは火災の原因の「トップ3」をご存知ですか? 毎年の火災の発生状況をまとめた消防庁のデータによると、建物火災の原因は、毎年「コンロ」による火災が1位を占め、次いで、「タバコ」と「放火」という不動の順位になっています。中でも放火は、2位のタバコと毎年ほぼ同じ件数で、「放火の疑い」のあるものも含めると、優にトップに踊り出ます。火災は家や家財だけでなく、かけがえのない家族の思い出や、時に命という最大の財産まで奪ってしまう恐ろしいものです。ましてやそれが、放火魔の仕業だとしたら、悔やんでも悔やみきれないでしょう。 ![]() しかし、この恐ろしい放火魔、実は皆さんの家の中にも潜んでいるのです。それも、1つや2つではなく相当な数。大きな家では40や50を超える場合もあるでしょう。連中は、住まわせてもらっている恩も忘れて、自らが発火して火災を起こす原因になるのです。その放火魔の正体、おわかりですか? そう、「コンセント」です。 私がいう放火魔とは、実はコンセントのことなのです。皆さんは、「トラッキング現象」というのをご存知ですか? コンセントとプラグの間に埃がたまり、その埃が湿気を帯びることで、プラグの両極間に火花が飛び、発熱して発火する。このような現象をトラッキング現象といいます。以前テレビの番組で、このトラッキング現象による発火の様子を実験していましたが、驚くほど簡単に発火に至るのです。コンセントのトラッキング現象が引き起こす火災は、ここ何年か増加の傾向にあり、中には全焼のケースもあるそうです。現在全国の消防庁が、このトラッキング現象に注意を呼びかけ警戒しているのです。 これを防ぐには、コンセントに埃と湿気を寄せ付けないことです。コンセントやプラグに埃がたまらないように、定期的に掃除をすること。また換気をよくし、湿気を取ることが大切です。特に、冬場に結露しやすい窓の近くにあるコンセントや、洗面所・台所など湿気の多い場所にあるコンセント、鑑賞魚の水槽、植木鉢周りのコンセントなどは要注意です。また使用していないときは、こまめにプラグを抜くようにしましょう。現代は住宅の高気密化が進み、風通しを悪くして、家の中に埃をためこんでしまっています。また高断熱のため、暖房をかけることで家の内外の温度差が大きくなり、窓が結露しやすくなっています。これら現代の住宅構造も、コンセントを放火魔に変身させる原因のひとつといえるでしょう。 ![]() 常々お話しているように、私は、犯罪や災害から身を守ることも家相の重要なコンテンツだと考えています。以前、クローズアップ「張り・欠けはここに注意!」でも触れましたが、家づくりには、放火魔に狙われないような対策も必要なのです。もちろん、家の中の放火魔にもです。 その家の中の放火魔対策として、私はいつも次のようなアドバイスをしています。新築の家の場合は、設計がほぼ決まった段階で、新居で使用する予定の家具を設計図面と同じ縮尺で図面の中に置いてみることです。その上でコンセントの位置を決めていくようにするのです。そうすれば、家具の裏に隠れて埃まみれ、湿気まみれになるコンセントは少なくなり、恩義を忘れて放火魔に変身する連中も減ることでしょう。冷蔵庫の裏側、タンスやベッドの裏側などに隠れがちなコンセントも、普段から目に見える場所にあれば、放火魔に変身するのを阻止することができます。 また、分譲や賃貸などでコンセントの位置が決まっている場合でも、できる限り、コンセントが隠れないように家具の配置を工夫しましょう。どうしても隠れてしまうコンセントや、掃除がしにくい場所にあるコンセントには、埃がたまるのを防ぐプレートカバーや、プラグが火花を飛ばすのを防ぐキャップなどを取り付けるとよいでしょう。 ただし、家の中の放火魔たちには、いつでも目を光らせていたいものです。大切な命や財産、家族の思い出を失わないためにも…。 平成11年度 建物火災(爆発を除く) 爆発を除く建物火災33,209件を出火原因別にみますと、以下のとおりです。 こんろ 5,392件(16.2%) たばこ 3,748件(11.3%) 放 火 3,650件(11.0%) 放火の疑い 2,282件( 6.9%) ストーブ 1,905件( 5.7%) 電灯・電話等の配線 1,061件( 3.2%) 火あそび 1,031件( 3.1%) 配線器具 758件( 2.3%) たき火 638件( 1.9%) 電気機器 629件( 1.9%) 消防庁火災統計より (一部抜粋) *トラッキング現象 コンセントやテーブルタップに長期間電源とプラグを差し込んでいると、コンセントとプラグとの隙間に徐々にほこりが溜まり、ほこりが湿気を呼ぶことによりプラクの極間で、火花放電が繰り返され、絶縁状態が悪くなります。最終的にプラグの両極間に電気が流れ発熱し、ついには発火するおそれがあります。この現象を「トラッキング現象」 という。 |
このサイトをご利用いただく際の、著作権に関するお願いがございます。
(C)copyright
2005 家相研究家 小池康壽
![]()