家づくりに家相は必要か

ここに興味深いデータがあります。住宅金融公庫名古屋支店が、家を建てた人を対象に平成8年度に行った調査で、「家造りの際、家相を気にしましたか」という質問に、全国平均50.7%もの人が「気にした」と答えたのであります。中でも冠婚葬祭にお金をかけるといわれる名古屋では、何と62.5%もの人が家相を気にしたという結果が出ています。

私はかつて、その名古屋で住宅のセールスをしていました。当時、家相には大いに悩まされたものです。「ここに玄関があると不幸になる」とか「ここにトイレがあると家族に病人が出る」など、脅しめいた言葉も数多く聞いたものです。どちらかというと家相には否定的な考えであった私が、なぜこの世界に入ったかというと、いくつもの家造りに携わるうちに、やはり家相は家造りに必要なのだと確信したからです。

確かに家相を勘違いして取り入れると、思いどおりの設計ができなくなりますし、デザイン的にも大きく制約を受けます。また科学が進歩した現代では、迷信や空事は簡単に見破られてしまいます。それなのに家相が家造りに取り入れられる背景には、少年犯罪、企業のリストラ、自殺者の増加などの社会情勢があるからではないでしょうか。家族が仲良く健やかに暮らせるように、家相に願いを込めているのです。

また人は、生きていればいやなことも起きます。いや必ず起きると言ってよいでしょう。そんなときに必ず、「家相が悪いからだ」と、忠告してくれる人がいるものです。特に家を建てるとなると、親や兄弟、はたまた会社の上司や近所のおばさんまでが何かとアドバイスをしてくれるのが慣例です。入居後良くないことが起きれば、それ見たことかと本人よりも周りが騒ぐのです。「病は気から」といわれるように、家相が悪いと言われることで自身もそう思うようになり、せっかく建てた家での暮らしが辛いものになってしまうばかりか、家を建てたことさえ後悔してしまいます。

もともと家相は、人間が健康で快適に家の中で暮らすための生活の知恵としての考えもあり、家造りには必要不可欠なものでありました。しかしまだまだ脅しめいたものも多く、前述の公庫の調査でも、残りの40%近い人からは信頼されていない現実もあるのです。

家相は、本来は統計学であり、先人の経験から住み良い環境を作っていく術でもありました。現代ではインターネットというすばらしい情報発信・情報収集のアイテムがあり、私はインターネットを通じ、皆さんに家作り・家探しに本当に必要とされる「家相」を作っていきたいと思っています。

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