家相ガーデニング教室



家相は家の間取りや構造から吉凶を見るものですが、今回はちょっと目を外に向けて、現代家相学から見た吉相ガーデニングについてお話してみたいと思います。家相とガーデニングにどんな関係が?と思われた方も多いでしょうが、実は大いに関係があるのです。江戸時代に多く記された家相書には、樹木に関する記述が意外に多いのです。

たとえば、「竹を四方に植え、青翠鬱然(せいすいうつぜん=葉がこんもりと茂っている様子)たるは繁盛の相なり」とか、「松・竹を交植るは最吉なり」とか。また、「東に桃・柳などを植えるは吉なり、西に柳を植えるは凶し、西は柘榴(ざくろ)・楡(にれ)を植える尤も吉とす」など、昔は樹木を植える場所や樹木の種類で、吉凶を語ることが多かったのです。

しかし、いつもお話しするように、家相には理にかなうことと迷信や語呂合わせが混在していますから、これら樹木で語る吉凶にも、理にかなうこととそうではないことがあるのです。「いちい」の木を植えると商売が繁盛する(業界で“一位”になる)、「樫」や「花梨」の木を植えるとお金に不自由しない(人にお金は“貸し”ても、人からお金は“借りん”)などは、語呂合わせ以外の何物でもないでしょう。

その他、鬼門に植えるとよいとされる「南天」は“難を転ずる”の意から、長寿を願う木として知られる「エンジュ」は“延寿”にかけて、それぞれ吉の樹木とされています。また、玄関前に「柳」を植えるのをよしとしない理由は、柳が怪談話の重要なバイプレーヤーであることからもおわかりでしょう。




中にはこんなおもしろい記述もあります。以前私のメルマガでもご紹介しましたが、「家の四方に梅の木がある家は、主人が色事や遊びにふける相なり」というものです。これは、梅の開花の時季になると、その華やかな色や芳しい香りに心が乱され、つい落ち着きのない行動に出やすいものだということを言っているのだと思います。当世風に言ってみれば、家の北側にパチンコ店、南側には雀荘、西側には居酒屋、そして東側にはスナックがあるようなものでしょうか。今でこそ、家の四方で咲く梅の姿は圧巻ですが、人間の心を惑わす凶の樹木と家相書に書かれてしまっては、はなはだ気の毒な気もします。

さてそれでは、話を現代に戻して、ここからは現代の家づくりにおける吉相ガーデニングについてお話したいと思います。

家づくりをしていく上では、すべての部屋をよい方角・よい場所につくることなど到底できません。災いを招くといわれる鬼門の北東や南西にも、当然何かの部屋が配置されます。しかし、家相は対策できるもの。その方角や場所のマイナス要素を、設備器機やインテリア、そして掃除で改善すれば問題なし!というのが小池流現代家相学です。樹木も、設備器機やインテリア、掃除と同じ、家相の対策アイテムなのだとお考えください

たとえば、北東をはじめ北風の強い場所では、防風のために「椎(しい)」の木などを植えることで家の傷みも防ぐことができます。地域によって、風が吹きつける方向や風速も違いますが、風を防ぐ樹木の効果は意外と大きなものです。また、南西や西側などの暑い西日を遮るのにも、樹木は非常にありがたい存在なのです。




西日は室温を上昇させ、暑さから人間の体に大きな負担を与えるほか、シックハウス症候群の原因ともなる有機性化合物の蒸散をも促してしまいます。古来から日本では、床の間や押入れを西側につくることで西日を防いできました。しかし、西日を防ぐために窓をなくしてしまえば風も入らなくなります。そこで、樹木をうまく使うのです。

台所が南西にある場合は、室温の上昇が食中毒を誘発してしまうおそれもありますから、常緑樹を植えて西日を少しでも遮り、部屋温度の上昇を防ぐことです。一般の居室であれば、落葉樹を植えるとよいでしょう。夏は茂った葉が日差しを弱めてくれ、冬には葉が落ちて日差しを通してくれます。




そのほか、樹木には目隠しの効果もあります。洗面所やトイレなど、隣家や道路からの視線が気になる場所にも、樹木が活躍してくれます。ただし、このような水周りの近くに樹木を植える場合は、根っこが配管を破ってしまうなどということもありますから、樹種を慎重に選択してください。また、火災の火元となりやすい台所の近くには、防火樹の「サンゴジュ」や「サザンカ」を植えることで、延焼がくい止められることもあるのです。隣の家の台所と隣接する場所などにも、防火樹がおすすめです。



防犯面では、玄関や勝手口まわりに、高木で葉が茂りやすい樹木を植えるのは避けましょう。玄関や勝手口が死角となり、侵入口として狙われやすいからです。また、外部から侵入されやすいと思われる場所には、「ヒイラギ」などの葉が尖ったもの、とげのあるものを植えるとよいのです。昔から魔よけとして使われる木の多くは、葉が尖っているものです。とげとげしい葉を見れば、泥棒も心理的に侵入しにくくなるからです。




最後に、樹木には「癒し」という大きな効果もあります。緑色は心身のリフレッシュに効果のある色といわれていますが、風にそよぐ濃淡さまざまな緑が、日常の疲れをしばし忘れさせてくれるでしょう。また種類によっては、新芽の時季、花の時季、実のなる時季に紅葉の時季と、四季折々の表情を見せてくれます。身近にある樹木から季節を感じるのもいいものです。リビングや浴室からの眺めに、樹木を上手に配置してみるのもよいですね。




このように樹木は、人間が健康で安全に過ごす環境づくりのアイテムのひとつなのです。現代家相学からみた吉相ガーデニング、ぜひ参考にしてみてください。ただし、樹木にも多くの種類があります。日向を好むもの、日陰でも育つもの、成長の早いもの、虫害に弱いものなど、樹木の特性もさまざまですからね。



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