3万人の命が消える

平成11年31413人、平成10年31755人。これは何の数字だと思われますか?実はこれはその年に自らの命を絶った人の数なのです。驚くことに、毎日のように日本全国で起きている交通事故で亡くなる人の数が1万人。ここ数年その3倍近くもの人が自殺されているのです。(旧厚生省人口動態統計による)

自殺は残された家族の心に深い傷を残すばかりか、家族の運命を大きく変えてしまいます。家相は、家の環境や家の構造から人間の運勢を占うものですが、自殺に対しても「家」というもの、とりわけ「インテリアの色」が、少なからず影響しているのではないかと家相研究家の私は考えます。

皆さんはインテリアの色をどのように選びますか?多くの方はご自分の好きな色を選ばれると思いますが、風水の本などをお手本に色を選ぶ方も、おそらくは多いことでしょう。特にここ最近の風水は、「色で開運!」がメインテーマになっています。「西に黄色」がその代表的なものです。黄色は人間に「がんばろう!」とやる気を起こさせる色で、西でなくともどこのどんな部屋に使っても、人間を明るく幸福な気持ちにさせてくれる色です。

しかし、本来家は安らぐ場所なのです。社会でがんばって、家に帰ってまたがんばろうという気持ちになったら、人間は安らぐ時間がなくなってしまいます。いつかは心の緊張の糸も切れてしまうでしょう。

風水や家相の発祥には、中国の「陰陽説」が大きく影響しています。万物には陰と陽があり、そのバランスが重要であるという中国の思想です。私は人間の一日も同じだと考えます。明るく振る舞い、自分に鞭打ちがんばる時間があれば、逆にのんびりとルーズに過ごす時間も必要だと思います。

矢を遠くに飛ばすには、弓をしっかり引くことであるといわれるように、社会で活躍したい、がんばりたいと思うのであれば、家でゆっくり休むことが大切なのです。

そのためにも私は、「運勢を上げるためには明るい部屋も必要だが、暗い部屋をつくることも大切だ」といつもお話しています。誤解を招くでしょうから先にお断りしておきますが、家全体を暗くするわけではありません。一部屋ぐらいは暗い部屋も必要だということです。先ほどの中国の「陰陽説」にもあるように、陰と陽のバランスが家にも重要なのです。自殺をする方の多くは、人に気づかれずに、また気づかれないように亡くなっていきます。他人からすれば僅かなことでも、本人には大きなストレスとなっていたからです。

昔から、女性が長生きするのは思いっきり泣くことができるからだとも言われています。時には思いっきり泣けるような、陰の部屋が必要な時代になっているのです。一枚目のCGにあるような華やかな部屋は、少々オーバーですが現実にはよくある部屋だと思います。このような部屋では、安らぐどころかより気持ちが高ぶってしまいます。

陰の部屋というと難しく感じられるでしょうが、いちばん簡単なのは和室調の部屋をつくることです。和室の雰囲気は人間の心を落ち着かせてくれます。畳の匂いや、土壁の少し暗いベージュの色が、人間の心を安らぎの世界に導いてくれるのです。以前テレビ番組でも実験していましたが、人間は和室に入ると脈拍や血圧が安定するそうです。フローリングの上に畳を敷いたり、和調のロールスクリーンを取り付けても良いでしょう。

ストレス社会の現代だからこそ、家は安らぎの場所でなければならないのです。


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(C)copyright 2005 家相研究家 小池康壽