玄関を2重にするは大吉なり |
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| 家相では古くから、「北東の鬼門にある玄関は災いを招き入れる」といわれてきました。その理由は、以前の記事「鬼門 (北東編)」でもお話しましたが、古代中国民族が、北東の方角から「匈奴」という異民族に幾度となく襲撃されたという史実もいわれのひとつとなっています。北東に出入り口のある家が、襲撃されやすかったのも理由かもしれません。北東が鬼門として恐れられ、その北東に玄関をつくることが嫌われた理由のひとつでしょう。玄関以外に、勝手口や窓などの大きな開口部がなかった時代のこと、唯一の大きな開口部であり、家の出入り口でもある玄関の方向に、こだわることが必要だったでしょう。 さまざまな理由の名残からか、現代でも北東の玄関を気にされる方が多いのです。「災いを招き入れては大変!」とばかりに、北側道路に面した敷地で、無理やり南側に玄関を設計しているCGのようなケースもよく見られますが、このような家はどこに玄関があるか分からず、外観上もどこか不自然に見えてしまうものです。 ![]() 現代のように、限られた敷地、限られた建築条件のもとでは、玄関を南や東といった「吉方位」にばかりは作れません。そこで、私はいつも、北東の玄関を気にされる方、北側道路に面した敷地に建築される方には、北東の鬼門や北側でも、気にせずに玄関を作られればよいとアドバイスしています。そして、“ある対策”をプラスすれば、より大吉の玄関にすることができるとも。その“ある対策”とは、玄関を“2重”にすることです。 玄関という場所は、立地条件や間取りによって変わりますが、冬場は意外に冷え込む場所であることが多いのです。居室部分とは違い、地面に直に作られるスペースであること。玄関ドアがガラスや鋼質といった材質でできており、外部の冷気を伝えやすいこと。そして、閉め切りがちな真冬でも、玄関だけは出入りのたびにドアを開けるため、屋外の冷気を招き入れてしまう場所であることなどがその理由としてあげられます。北東や北側の玄関が招き入れてしまう“災い”とは、この「寒さ」に他ならないのです。 みなさんも、冬場の結露で玄関ドアが水滴だらけになっているのを、目にされた経験があると思います。そのため、玄関は水周りでもないのに、意外にも腐朽菌やシロアリによる土台の傷み、玄関の枠周りの傷みが多いのです。私も今までの家作りの経験の中で、多くの家の解体現場を見てきましたが、玄関が一番傷んでいるケースも、実際にかなりありました。特に、日が当たりにくく、冬場の寒さから結露が起きやすい北東や北側の玄関は、傷みが激しい場合が多いのです。 そこで、北東や北側の玄関の寒さを防ぐため、また、建物の傷みを防ぐためのアイテムとして、私は“2重”の玄関をおすすめしています。これは、玄関の外側にもうひとつ玄関を作るという構造のもので、一般的には「風除け室」と呼ばれています。寒冷地の住宅では、防寒対策としてよく設けられているものです。 ![]() 画像協力 トステム株式会社 このように玄関を2重構造にすると、家の中に屋外の寒気や強風が直接入り込むこと、また、家の中の暖気が逃げるのを防ぐことができ、防寒・保温の効果があるのです。いってみれば、内と外との緩衝地帯といったところでしょうか。レストランや店舗などでも、この風除け室を設けたつくりをよく見かけますが、これも、店内に外部の寒気や熱気が入るのを防ぎ、お客さんに快適に過ごしてもらうための心配りなのです。私も経験がありますが、レストランや飲食店などで入り口近くに座った際、お客さんが出入りするたびに、寒く感じたり暑く感じたりして、せっかくの食事も今ひとつに思えてしまうことがありますからね。 ![]() 北東や北側の玄関に限らず、風の強い地域、砂が舞い上がる地域、雪の多い地域などでは、玄関に風除け室を作られるとよいでしょう。ただし、防犯性もよく考慮して、玄関を必要以上に囲んでしまったり、透視性の悪い素材を使ったりしないよう注意してくださいね。戸建て住宅の場合は、上のCG画像のようなサンルーム風のものや、ヤードタイプの簡易的なものがよいでしょう。また、北側に玄関があることが多いマンションの場合は、断熱タイプの玄関ドアを採用している物件や、部屋の中に直接的に寒風が入らないような設計・構造の物件を選ばれるとよいでしょう。 玄関が2重になることで、寒気も泥棒も侵入しづらくなります。玄関からは本来、幸せだけが入ってきてほしいものですからね。 |
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